コロナで困窮、プレゼントが買えない…そんな家庭に絵本を贈る「ブックサンタ」になろう 希望家庭は昨年の倍
【おすすめクリスマス絵本】東京すくすく連載陣&編集チームとっておきの8冊
申し込み家庭の4割近くが苦境に
ブックサンタは、NPO法人「チャリティーサンタ」が主催。参加する書店で、贈りたい絵本を購入して寄付すると、24日のクリスマスイブにNPOが手配したサンタクロース姿のボランティアが、各地の子どもたちへ絵本を届ける取り組みです。昨年、絵本を届けた子どもの家庭からは「サンタから贈られた絵本と手紙を何度も読み返している」「突然のサンタの訪問に戸惑っていたが嬉しそうだった。絵本を読むたびに『サンタさんがくれたんだよ!』と話してくれる」などの声が寄せられ好評です。
絵本を届けてほしいと応募があった家庭は、昨年の倍となる約1200件に上りました。申し込みの際に書いてもらうアンケートによるとこのうち4割近くの家庭が、新型コロナの影響で、収入が減ったり、職を失ったりしているということです。中には「クリスマスに特別なことをしたことがありません。コロナで失業し、無収入が続きました。食費も節約し、子どもは習い事もやめることになり、我慢ばかりさせてしまった」「夫の転職が決まっていたが、コロナで内定取り消しになり収入がなく大変な状況がつづきました。8月の長男の誕生日にプレゼントも買ってあげられず、申し訳ない気持ちのまま過ぎる毎日です」などと厳しい状況をつづっている人もいました。
直接訪問するサンタも感染防止策
チャリティーサンタ代表理事の清輔(きよすけ)夏輝さん(36)は「もともと経済的に楽ではなかったけれど、こうした支援を受けずに頑張ってきた人たちがコロナで打撃を受け、本当に苦しくなって声を上げているように感じる」と話しています。
サンタたちが直接家庭を訪れ、子どもたちに絵本を手渡すブックサンタ。コロナ禍で実施する今年は、細心の注意が必要です。ボランティアには事前の体調を確認し、マスクや手袋の着用、各家に入る前に手指の消毒、子どもたちに直接触れない、滞在は短時間にするなど対策を講じて実施することにしています。
全国307店 寄付は12/24まで
趣旨に賛同した書店側の参加は今年、山形県と群馬県の店が新たに加わり、全国36都道府県の307店舗に。NPOによると、11月末現在、2884冊の本が集まっています。参加する書店「リブロ汐留シオサイト店」(東京都港区)の河又美予さん(47)は、「ビジネス街の店舗で、児童書コーナーは小規模ですが、毎年、子どもたちへ贈る絵本を選ぶのを楽しみにしてくれているお客さんもいて、毎年10~20冊は寄付があります。今年もクリスマスが近づくにつれて増えていくのでは」と期待しています。
ネット書店やクラウドファンディングからも参加可能です。絵本を受け取る側の申し込みは終了。寄付は12月24日まで。参加書店や絵本を届けるサンタのボランティア募集などの詳細は「ブックサンタ2020」の特設サイトで紹介しています。
ブックサンタおすすめの絵本(選・リブロ汐留シオサイト店)
①「パンどろぼう」作・柴田ケイコ(KADOKAWA)
パンに包まれた、その正体とはー!? おちゃめで憎めないパンどろぼうが、事件を巻き起こす。
②「あるかしら書店」著・ヨシタケシンスケ(ポプラ社)
こんな本があったらいいながつまった妄想書店。ヨシタケシンスケさんの世界が広がる。クリスマス限定カバーも。
③「おおぐいタローいっちょくせん」作・マスダカルシ(白泉社)
巨大食パンに突っ込み、ソーセージに食らいつく、おおぐいタローが巻き起こすナンセンスストーリー。
④「へんしん!おばけちゃん」作・ひらぎみつえ(ほるぷ出版)
いろんな色のおばけが、あっという間に大変身。赤ちゃんが喜ぶ色で描かれた仕掛け絵本。
⑤「クリスマスかぞえうた」作・西村敏雄(白泉社)
数え歌と一緒に迎えるクリスマス。歌いながら楽しんで。
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