【動画あり】ピアノ国際コンクールで八王子の小6が快挙 中高生を抑え最優秀に
布施谷航 (2021年3月2日付 東京新聞朝刊)
東京都八王子市立第一小6年の小石龍之介君(12)が、1月に開かれたピアノの国際コンクールで、2つの金賞を受賞した。受賞したのは、いずれもコンチェルト(協奏曲)部門の「中学生以下の部」と「高校生以下の部」。年上の中高生らと競い合い、最優秀の栄冠を手にした。
コロナのため動画審査
コンクールは「第22回ショパン国際ピアノコンクール in ASIA」。ソロとコンチェルトで年代別に約20部門に分かれて技術や音楽性を競う。過去に国内外の著名ピアニストが受賞しており、今年は日本のほか、シンガポールや香港などから約2700人がエントリーした。
小石君は、昨年は小学生以下の部門に出場し、銅賞を受賞。今年は中学生以下の部のみの出場を考えていたが、応募間際に「どうしても弾いてみたい」と高校生以下の部への出場を決めた。今年はコロナ禍のため、伴奏者によるピアノとの協奏を動画で送る方式に変更されたため、都内のスタジオに何度も通って動画を撮影した。
「ぞくぞくさせたい」
2つの課題曲を繰り返し弾き続け「もう悔いはない」と送った動画は、並み居るライバルを抑えて最高賞に。「2つも金を取れるなんて思っていなかった」と1月18日の結果発表を振り返る。普段から演奏を指導する国立音大卒の父、明さん(52)も「受賞してからピアノに向かう姿勢が変わった。殻を破ったみたい」と成長に目を細める。
「『なんかすごい』じゃなくて『ぞくぞくする』と感じてもらえるようなピアノを弾きたい」とさらに意欲を見せる小石君。
明さんは「ピアノの表現には『せつなさ』や『はかなさ』も求められる。技術はもちろん、この時期ならではのいろいろな経験を積んでほしい」と4月からの中学生活にエールを送った。
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