絵本の強みは、絵が動かないこと。 動画があふれる時代だからこそ

写真 絵本を読む親子

 子どもを膝に乗せて絵本を読んであげる時間は、とても幸せな子育てのひとときです。

 一方で、ごはんのしたくや洗濯といった日常のこまごましたことを進める間、アニメを見せたり、幼児向けの動画を見せたり、というのは、どこの家庭でも取り入れている工夫のひとつだと思います。そして、動画コンテンツやゲームなど、今は子どもが一人で楽しめるものが身の回りにあふれています。

 でも、子どもたちが絵本と触れ合う姿を長年見つめてきた方への取材で、こんな言葉を聞きました。

 「動画やゲームは小さい子にとっては情報や刺激が多すぎる。絵本の強みは、むしろ絵が動かないこと。どの子も自分のペースで楽しみ、想像の翼を広げられる」

 児童書専門の私設図書館「東京子ども図書館」理事長の張替恵子さんの言葉です。親の膝に座って、肉声で絵本を読んでもらう。「その経験は、手触りと重みのある本の存在とともに、幸せの記憶として子どもの心に残る」と張替さんは言います。

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東京子ども図書館の張替恵子理事長

 まだまだ寒い日が続きます。子どもとぎゅうっとくっついて、絵本の世界に橋をかける。そんな時間を増やしてみませんか。幼い子どもと絵本を楽しんだ時間はきっと、長く続く親子関係の支えになります。

 東京すくすくの〈えほん〉では、毎週、親子が触れ合うきっかけとなるような絵本を紹介しています。

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