足利のフリーペーパー「おともり」5周年 親子で行ける飲食店や料理コーナーが人気 発行継続へ寄付募る

梅村武史 (2023年1月24日付 東京新聞朝刊)
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子育て世代向け情報紙を編集する田嶋さん(右)ら=足利市で

 子育て世代が求める旬な話題を、季刊の無料情報紙で発信する栃木県足利市のNPO法人「おともり」が今月、設立5周年を迎えた。取材を担うのは、家事や育児、パートに追われながら日々、奮闘する女性5人。代表理事の田嶋美歩さん(43)は「読者に励まされ、支えられてここまで来られた」と感謝する。

ライター・デザイン講座の受講生5人

 フリーペーパー「おともり」(A3判八つ折り、両面カラー刷り)は春夏秋冬の季刊で毎回1万部を発行。足利市内の飲食店や大型ショッピングモールなどで配布し、市民に愛されている。

 「足利は子育て世代向けの情報が少ないよね。自分たちが発信しよう」。副理事の北林夏さん(43)は立ち上げ時の思い出を振り返る。メンバーは、出産後のキャリアアップを支援するライター・デザイン講座の受講生たち。2018年1月に法人化し、同年4月に創刊号を発行した。

家事や育児、パートに追われながら

 現在の記者は40~50代。活動拠点はなく、パソコンを通じて連絡を取り合って企画から取材の割り振り、編集作業までを各自が在宅ワークでこなす。親子で行けるパン屋や焼きそば、から揚げ店などの見開き特集が人気で、今月刊行の最新号は和菓子がテーマだ。

 松村敬子記者(51)は「サークル活動のような雰囲気。助け合ってやっています」と笑顔で話す。食育インストラクター資格を持つ尾崎佳代子記者(42)が担当の「親子で作ろう!」という料理コーナーも好評だ。

 ただ、近年のコロナ禍と物価高が情報紙発行にも暗い影を落としている。広告収入が大幅に落ち込み、印刷コストは2倍に跳ね上がった。記者らの奮闘も限界に近づいているという。

広告収入落ち込み…続けたいが限界

 「おともり」では法人設立、創刊5周年の節目に合わせ、寄付を募っている。「バースデードネーション」(BD)という、おめでたい日にあやかって、プレゼントの代わりに寄付をお願いする欧米発祥の手法だ。

 田嶋さんは「私たちの活動に共感してくれる人にお願いしたい。まだまだ発信したいことがたくさんあり、長く続けていきたい」と呼びかけている。

 「NPO法人おともり」のウェブサイトから寄付できる。1口500円から。目標は5周年にちなんで5万円。今後の取材活動費、印刷費に活用する。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2023年1月21日

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