2歳の息子に頻繁にスマホ動画を見せる弟夫婦 気になるが…〈宮里暁美の子育て相談〉
そんなに小さいうちから? でも、口出しははばかられる
Q 弟夫婦が2歳の息子に頻繁にスマホで動画を見せています。1歳のころからで「そんなに小さなうちから?」と気になりますが、日ごろの育児を支えられる立場でもないため口出しははばかられます。(34歳の伯母)
うれしい時間を一緒に過ごして
A なかなかに悩ましい相談ですね。弟さんたちも「スマホに頼りたくないのはやまやまだけど、泣いて見たがるのに負けてしまう」とのこと。ジレンマを抱えています。「あまり泣かせていると虐待を疑われてしまうかも」という不安も重なり、まさに今の子育てならではの悩みです。
相談されているお姉さんも、時折垣間見るおいっ子の姿から、心配しつつも弟さんたちの気持ちが分かるだけに口出しはしないほうがいいと思っている。私はこの心の揺れがとても大事だと思います。相手のことを思うからこそ躊躇(ちゅうちょ)する、それはとても大切な姿勢なのです。
こういう時にすべきことは、おいっ子さんとうれしい時間を共にすることです。遠方にお住まいなので会えたらうれしい伯母さんなのでしょう。久しぶりに会った時には一緒に外で遊んだり、大好きな絵本を読んであげたり楽しく過ごす時間を大事にしましょう。
楽しい時間を過ごしていたら「いいの見せてあげる!」とお気に入りの動画を見せてくれるかもしれません。同じ動画を見て説明を聞いていると、おいっ子さんが何を見て何を感じて、何を楽しんでいるのかが分かってきます。それが分かると心配の仕方も少し変わってくるかもしれません。「共感」は、悩みの扉を開く鍵ですから!
子どもとスマホは、現代の育児における新しい課題です。静かに過ごしてほしい時に動画を見せるなど使い方次第のスマホですが、子どもに渡したままにすると、スクロールしているうちに刺激の強い動画を見てしまうという危険性もあるようです。そのようなことが起こらないように動画を見ている時には一緒に見る、タイマーを設定して時間で切れるようにするなど危険回避の策はいろいろあるようです。そのような情報を伝えてあげられたらいいですね。(文京区立お茶の水女子大学こども園・前園長、お茶の水女子大学特任教授)
なるほど!
グッときた
もやもや...
もっと
知りたい