遊ぶ声がうるさい? 「遊ぶ権利」があります! 子どもを主役にした地域づくりが必要です
青木孝行 (2023年2月3日付 東京新聞朝刊)
「子どもの遊ぶ声がうるさい」との苦情に端を発した2本の記事を昨年12月に公開しました。「長野市の“公園閉鎖”問題 1軒の苦情から…」と東京都世田谷区で苦情を訴える住民の心情を記事にした「『園児の声がうるさい』と感じる背景に社会的孤立」です。子どもには遊ぶ権利があり、子どもが主役となる地域づくりの必要性を感じています。
すくすくのコメント欄には、長野市の対応について賛否両方の反響が多く届きました。「家の前で毎日のようにたくさんの子どもが遊ぶ声がしたら耐えられますか?」といった市の方針に賛同する書き込みの一方で、「なぜもっと寛大な心で見守っていただけなかったのかと、公園で遊べなくなってしまった子どもたちが気の毒で仕方ありません」と、残念がる声も寄せられました。
また、私自身が取材した世田谷区のケースでは、孤立感を深める当事者が、本心では園児との交流を待ち望んでいることが明らかになりました。園では3年前から地域住民との交流の機会をつくろうと、囲碁や将棋セット、お手玉、けん玉などを準備しています。コロナ禍でまだ実現していませんが今後、新型コロナが収まって事態が好転することを願っています。
東京と長野。子どもの「歓声」を巡り、2つの地域で共通して問われているのは、住民同士の利害が対立した際の対話のあり方です。対話を重ねた先に、人と人とがつながり、折り合いながら支え合う地域社会が実現するのではないでしょうか。
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不毛の水掛け論の繰り返しと暴力的な妥協案の浮上を危惧しております。
世田谷の取材記事はいみじくも問題点を的確に照射して解決の糸口を見つけておられますが、記事をお書きの記者の方はお気づきになりましたでしょうか。第三段落の一節です。