子育て世代が「助けてほしい」と感じるのはこんな時 1人では手が足りない

(2023年5月16日付 東京新聞朝刊に一部加筆)

タイトルカット 東京すくすく×婦人之友社「子育てアンケート」から

 「東京すくすく」と婦人之友社が共同で実施した「子育てアンケート」では、8割を超える保護者が、子どもを育てる中で「助けてほしい」「つらい」と感じていました。子育て世代の実情を伝える連載の【親子関係編】の後編では、どのような時に大変さを感じているのかを紹介します。

 ※アンケートは今年3月23日~4月6日の15日間、インターネット上で実施。中学生以下の子を育てる保護者202人から回答を得ました。

8割超が「つらいと感じることがある」 

 「子育てをしていて『助けてほしい』『つらい』と感じることはありますか?」という質問に対して、「ある」と答えた人は81.2%(164人)に上りました。

円グラフ Q3 子育てをしていて「助けてほしい」「つらい」と感じることはありますか?

一番多かった回答は「自分の体調が…」

 「どのような時に感じるか」を自由記述で聞くと、一番多かった回答は「自分の体調が悪い・疲れているのに、家事や育児をしなければならない時」(35人)でした。「子どもたちの対応を1人でしている時、手が足りないのに助けが得られない時」(27人)が続きます。

棒グラフ Q4 子育てをしていて「助けてほしい」「つらい」と感じるのは、どのような時ですか?

 目立ったのは、「子育てに関わる人が隣にもう1人いれば状況が変わるのではないか」と感じさせる回答です。いっぱいいっぱいの状況や心情を伝える回答を紹介します。

「親になって休日が楽しみでなくなった」

 6歳の子を育てる東京都の女性(30代、公務員・団体職員)は「自分が体調不良でも、子どもは元気いっぱいで、遊ぼう!ご飯早く!と求められる」。同じく都内で2歳の子を育てる男性(30代、会社員)は「週末がきつい。親がどんな体調であってもお構いなしでわがまま言ったりイタズラしたり」とし、「親になって休日が楽しみでなくなった」と明かします。

 多かったのは、1人で複数の子を世話する大変さを訴える声です。平日は1人で1歳と3歳の子を見ているという大阪府の女性(30代、専業主婦)は「単純に手が足りない。2人同時に体調不良になったり泣き出したりした時などは、1人での対応に限界を感じることがある」。3児を育てる福岡県の女性(40代、専業主婦)は「誰かが下の子を見ててくれたら、上の子たちの希望をかなえてあげられるのに」ともどかしい思いを寄せています。

「自分の排せつ、睡眠、食事ができない」

 小さい子を育てる保護者からは、最低限の生理的欲求すら満たせない状況を嘆く切実な声も。0歳と7歳の子を育てる埼玉県の女性(30代、教員)は「自分の排せつ、睡眠、食事などの基本的なことが進まないとイライラがたまっていって、助けてほしいと感じる。10分でいいから1人にしてほしい」と訴えます。

 「自分のための時間がほしい」と願うのは4児を育てる高知県の女性(40代、自営業)。「自分が満足できるくらい家事に没頭できる時間。積ん読の本の山を片っ端から読みあさる時間。美術館で一枚の絵画の前でじっと見入る時間。手助けはほしいけれど、本当にほしいものは、手助けを求めるには難しいものばかりです」とつづります。

 ままならないことが多い子育てだからこそ、周りの人の善意は心に残るようです。5月30日に公開予定の記事では、子育ての「周囲から受けてうれしかったサポート」について詳しく取り上げます。

別冊 婦人之友でも紹介しています

 東京すくすくのサイトでは、婦人之友社が共同で行った「子育てアンケート」の結果を順次紹介していきます。アンケート結果を伝える記事の一覧ページはこちらです。

 5月15日発売の別冊 婦人之友「親も子も『ホッ』とできる居場所、あります」でも、アンケート結果と、子育て世代の声を受け止め、発信してきたすくすく編集チームのこれまでの歩みを取り上げています。

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