「夢みる校長先生」が学校を変える 通知表廃止、宿題なし、校則ゼロ…公立小中の改革 ドキュメンタリー映画上映中
東京、神奈川など公立小中6校が登場
メガホンを取ったオオタヴィン監督(62)は1昨年、体験学習を重視した私立学校に密着した映画「夢みる小学校」を製作。好評を博しているが「私立だからああいう教育ができるんでしょ」との声もあった。
「じゃあ、次は公立の学校だけで撮ろう」。東京、神奈川、栃木、長野の1都3県、6つの公立小中のドキュメンタリー映画を作った。それが、上映中の「夢みる校長先生」だ。
通知表や宿題、校則には明確な法的根拠が無く、校長に決定権がある。登場する校長は、児童生徒や教員らの声に耳を傾け、何が子どもたちの幸福かを考えた末に、改革を決断した。
「生徒は国会」定期テストなくした
通知表を廃止した神奈川県茅ケ崎市立香川小。國分一哉元校長は「通知表は、子ども同士に見えない序列ができ、人間関係に影響してしまう」と語る。
校則をゼロにし、定期テストをなくした東京都世田谷区立桜丘中の西郷孝彦元校長は、生徒総会で決めたことを尊重した。「校長は行政府、生徒は国会」
宿題を廃止した武蔵野市立境南小の宮崎倉太郎元校長は今春、定年退職。映画には現在の杉谷努校長も登場、宿題ゼロを「継続します」。
栃木県日光市立足尾中の原口真一元校長は、新型コロナウイルス禍に運動会、修学旅行など行事を実施。感染症の専門家や文献に自ら当たり、決断した。
ナレーションは小泉今日子さん
東京・銀座の映画館で12日に開かれたトークイベントには、ナレーションを務めた俳優で歌手の小泉今日子さんが登壇。「若い人の悩みを聞く機会が多いけど、世界ってもっと広いんだって伝えたい。その答えがこの映画にある。民主主義って何だろう。その答えもある」と話した。他に前川喜平・元文部科学次官らも出演している。
シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺、シネマ・ジャック&ベティ(横浜市中区)、シネマアミーゴ(神奈川県逗子市)などで上映中。詳細は「夢みる校長先生」のホームページで。
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