小児科は子どもだけで受診してもいい? そもそも何歳まで受診できる?〈森戸やすみのメディカル・トーク〉

(2024年5月14日付 東京新聞朝刊)
イラスト 医師から薬の説明を受ける子ども

イラスト・横田眞未子

検査や薬の説明は大人に聞いてほしい

 中学生の子どものお母さんから「小児科を子どもだけで受診させてもよいでしょうか」と聞かれました。

 私自身は、必ず保護者が連れてきてほしいと考えています。いつもと同じような症状に見えても原因が違うかもしれません。検査が必要だったり、普段とは違う薬を出したりする際に、大人に説明を聞いてほしいからです。

 例えば、いつもの風邪だと思ったら溶連菌感染症だった、という場合。抗菌薬をしっかり飲まなくてはいけませんが、それが伝わっていないと症状が軽くなった時点で内服をやめてしまうかもしれません。また、ワクチン接種の後に、迷走神経反射やアレルギー反応が出て、待合室や帰り道で具合が悪くなる可能性もあります。

 ただ、お子さんの年齢や症状、医師の考え方にもよります。かかりつけ医に一度相談してみてください。

「赤ちゃんから中学生まで」が一般的

 ここで、そもそも小児科は、子どもが何歳ごろまで受診する所なのか、気になる方もいるでしょう。小児科は成長過程の問題や子どもに多い病気を診る診療科なので、生まれてすぐの赤ちゃんから中学生までを対象にするのが一般的です。

 一方、かかりつけの小児科であれば、高校生になっても受診できることがあるので、電話で聞いてみてください。16歳になる頃には、説明された病状を理解し、処方された薬の管理も自分でできると期待されます。

森戸やすみ(もりと・やすみ)

 小児科専門医。1971年、東京都出身。一般小児科、新生児集中治療室(NICU)勤務などを経験。「子育てはだいたいで大丈夫」(内外出版社)、共著に「やさしい予防接種BOOK」(同)など、医療と育児をつなぐ著書多数。「祖父母手帳」(日本文芸社)も監修。子どもの心身の健康や、支える家族の問題について幅広く伝えます。

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