バイオリニスト 廣津留すみれさん 褒めて伸ばす両親 ハーバード大進学も軽いノリで「いいんじゃない?」

廣津留すみれさん(市川和宏撮影)

各界で活躍する著名人が家族との思い出深いエピーソードを語るコーナーです
常にクラシック音楽 両親は聴く専門
音楽好きの父と母の3人家族。大分市の家には、クラシック音楽を中心に父が集めたCDやレコードが並んでいました。両親とも楽器を演奏することはほとんどなくて、聴く専門。家の中はもちろんですが、移動する車の中でも常に音楽が流れていました。
2歳の終わり頃からバイオリンを始めました。小さなバイオリンもあるので幼い子でも始めやすいこと、はいはいを始めるのが早かったので運動神経があってリズム感もあるのではないか、ということで両親が決めたそうです。
2人とも基本的に褒めて伸ばすタイプ。私が車で聴いていいなと感じた曲を耳で覚えて家で何となくメロディーを弾いてみると、両親が「譜面がないのにすごいね」と喜んでくれる。どんな演奏でも褒めていたと思いますが、それがすごくうれしくて、どんどん音楽が好きになりました。
練習を3時間すると、100円がもらえるご褒美もありました。ポイントカードを作り、3時間練習を達成したら1枚シールを貼っていく仕組み。ためたお金で当時欲しかったクマのぬいぐるみをゲットした覚えがあります。
母が教室主宰 0歳から英語に触れて
私が何かをやろうとするときは、いつも軽いノリで背中を押してくれていました。例えば高校2年のとき、米国のハーバード大に進学したいと母に打ち明けると「いいんじゃない、やってみたら」と。もし深刻な顔で「本当に大丈夫?」と言われていたら、私って人生の大変な決断をしてるのかなと、プレッシャーを感じていたかもしれません。
母が英語教室を主宰していたので0歳から英語に触れていたものの、大学レベルになると知らない単語ばかりで、もちろん勉強は大変でした。でも結果として楽観的にチャレンジできたと思うので、それはありがたかったですね。
昨年秋に初めて自身のレーベルを立ち上げ、幼い頃から大切に弾いてきた曲を1枚のCDにまとめました。中には小学校の文化祭で披露して、クラシックになじみがなかった友達から「すごく良かった」と言われて自信になった曲や、高校のときに米国でのコンサートで弾いた曲も。それぞれにストーリーが詰まっています。
私が大好きなバイオリニストのフリッツ・クライスラーの作品が中心で、いま思えば家の棚に並んでいた父のCDがルーツ。子どもの頃によく聴いていたお気に入りのCDには、私が貼ったかわいい動物のシールが今も付いたままになっていると思います。
大学で教える仕事などにも挑戦していますが、やっぱり一番の目標は国やジャンルにとらわれず、一人でも多くの人に生の音楽を届けること。ただ演奏を聴いてもらうのではなく、バイオリンを通じてどんなメッセージを伝えたいのかを常に問いながら、弾いていきたいと思っています。
廣津留すみれ(ひろつる・すみれ)
1993年、大分市出身。地元の公立高校を経て米ハーバード大卒業、ジュリアード音楽院修了。東京を拠点に各地で演奏活動をするほか、毎夏に故郷で英語サマースクールを開催している。国際教養大(秋田市)特任准教授。2025年秋にアルバム「11 STORIES」を発表。5月9日に愛知県碧南市の市芸術文化ホール、5月12日に東京都渋谷区の「Hakuju Hall」で公演予定。
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