4人の母・土屋アンナさんの子育て流儀 「私は子どもはたたきません。マヨネーズ投げちゃったけど」

写真 たたかない子育てについて語る土屋アンナさん
 東京都江東区で14日に開かれた「たたかない子育て」を考えるシンポジウムには、4人の子を育てている歌手・女優の土屋アンナさんが登壇しました。イラッとしてしまい、マヨネーズを投げ飛ばしてしまったなど等身大のエピソードも交えつつ、「目を見てきちんと話し、教えることが大事だと思う」と語った土屋さん。子どもとの向き合い方について、来場者に呼び掛けた内容を詳報します。

スケボーで壁に穴! ハチャメチャ4人育児

 (子どもが)4人もいるとハチャメチャ。芸能の仕事をしているから、「誰かに手伝ってもらうんでしょ」と思われるかもしれないけれど、家事は全部自分でやっています。ママも大変、パパも大変です。

 今まで子どもたちがやった「悪いこと」といえば、壁にスケートボードで穴をあけていた…。ええっと、逆に笑っちゃった。いたずらから始まる、親が困ることを、子どもはします。長男は中学3年なので、小さいうそはめちゃくちゃついている。でも本当に悪いことってまだしないですね。

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「たかかない子育て」の重要性などについて話し合ったシンポジウム

 大変な家事をしてるときにやられると、カッとなっちゃうけれど、でも子どもにしかできない楽しみ方で、日々成長してる。だから、基本、殴るとかしたことはないです。

自分が育った時代に、たたかれて感じたこと

 昭和生まれなので、スポ根、言うことを聞かない子がいたらたたいて教える時代だった。それで傷ついたことはないけれど、あのとき何を感じたかというと、痛みから逃げよう、ということ。(たたかれても)痛い、つらい、悲しいという心境くらいしか生まれない。

 どこからが体罰と言えるのか、という人も多いですが、(虐待事件で)いっぱい子どもたちが死んでしまっている。それについて考えない人も山ほどいる。だから法律で決めて、命を失わせないように日本も動いていかなきゃいけないと思っています。

暴力やモノにあたれば…結局自分のストレス

 子どもが泣いてたり、食事中に「ママ、抱っこ抱っこ」というのが繰り返されると、「あー!!」っとなるじゃないですか。こないだなんて、マヨネーズをぶっとばしました。うんって投げちゃったの。そしたらマヨネーズが出たの。家中、マヨネーズ。それを見て、長男が無言で拭いてた。私は「ああ、モノに当たっちゃったな」って自分を責めるだけ。

 暴力とか、モノに当たるって、最終的には自分のストレスで自分自身を責める結果になっちゃう。子どもはそれを見て、「あ、ママが怖いな」とかって思っちゃうだけなので、良くないなと思いました。

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本当にいけないこと、子どもはまだ知らない 

 子どもが約束を守らなかったり、小さいうそをついたりしたとき、ぶったり蹴ったりして「何やってるんだ」と怒るのではなく、きちんと話せばわかるはず。目と目を合わせてきちんと話して。大人は教えることが大事だと思う。

 子どもはまだまだ知らないことばかり、何が本当にやっちゃいけないことかを知らない。「痛い」で教えるのではなく、ちゃんと言葉で教えてあげる。話して分からなければ自分でやってみせることが必要。どの方法が良いかは家庭次第ですよね。

ママ友、無理につくらなきゃいけないですか

 日本のお母さんは他のお母さんを意識しすぎ。他のお母さんにこう思われるかもしれない、だからこういうしつけしなきゃいけない、勉強させなきゃいけない、食べ方をきれいにしなきゃいけないって。でも大事なのは他のお母さんではなくて、私たちが育てている子ども。小さい命を育てるのが義務であって、周りの大人とつるむことが子育てではないと思う。

 近所付き合いとして、「うちの子ちょっと見てて」と言い合える友達をつくるのは大事だと思うけれど、それが負担になって、そのせいで子どもに負担かけちゃってる人が多い。ママ友、無理くりつくらなきゃいけないですか?  いえいえ。いいでしょ。

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うちの子が一番じゃなく、よその子も大事

 私はこんな感じなので、「何あの人?」って見られるタイプだと思う。でも全然気にしない。ママ友も全然いない。

 でも子どもには友達がいっぱいいて、よく知らない子がよくうちにいっぱいいる。他の子も自分の子と同じくらい大事だと思っているので、うちに入ったら、自分が守る。名前がわからない子もいるけれど。うちの子が一番、という考えも捨ててほしいなと思う。血がつながってるから子どもを守るんじゃなくて、子どもを守る。

ライオンキングを見て「それだ」と思った

 「ライオンキング」の中で、(主人公の子どものオスライオン)シンバが悪いことをしたときに、お父さんのムサファが「駄目だぞ」と言ったあと、草原をめっちゃ走るシーンがある。悪いことしたからとずっとお仕置きするのではなくて、言葉でちょっと言ったあと、一緒に転げ回って、お父さんの体の大きさに偉大さを感じるシーン。大人たちがこうあればいいし、「ライオンキング」の中では子どもをみんなで育ててる。自分の子じゃない子も。あ、それだって思った。

 お母さんも子どもと一緒に遊びたいと思っています。でも、やることが多くて、朝起きてからもう夕飯のことを考えているじゃないですか。それがストレスになっちゃうんだと思う。子育てが大変というよりも、ルーティンをこなす体力が大変。男性のほうが体力、筋力もあるから、男性が手伝ってお母さんが子どもたちと遊ぶ時間を増やすといいんじゃないかなと思ってます。

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なるほど!

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すくすくボイス

  • 匿名 says:

    あんさん大好き!(*´ω`*)!
    いつも自分の道を貫きながら、わたしたちにも伝わりやすいことばで語りかけてくれて、本当にすてきな存在です☆
     
    「体罰」というとマイナスイメージしかないご時勢ですが… 小学校のころ、忘れものなどあると担任の先生が「おしおき棒(ハンディサイズ)」で掌をピシッとやる、というクラスでした…。 痛みはそれほどなくて、加減をご存じでいてくださったんだと思いますけれど…

    その先生、とても親しみやすく皆から愛されてる方で、おしおき棒は怖れられつつもその先生を象徴するシンボルでもあり、生徒への「ダメやぞ!」という教育的指導のひとつとして、皆が受け止めることができていたと感じます。
     
    わたし自身今でも当時のことは良き思い出しかありませんので、結局は「愛」が伴っているか否か、なんじゃないかとも思ってしまいますね…。受けた当事者に苦痛しか残さないものなら当然あってはいけないわけですが、十把ひと絡げに考えられないというか、実は一概に言えない難しさも含む問題なのかも。
     
    日本における戦前・戦中の教育も、素晴らしい水準のものだったと海外では捉える向きもありますから、一朝一夕ではなかなか明確な答えの出ないことなのかもしれません。

    ともあれ、画一的な流れに取り込まれることなく、考え続ける作業だけは怠らないようにしていなければならないと、ますます強く思う次第(*´꒳`*
     

     女性 40代
  • 桜の母 says:

    土屋アンナさんは 大好きと思っていた方でしたが 素敵な考えを持って子育てをしていると知って 私ももっといろんな勉強をして子育てをしていたらと思いました 50歳の息子がおりますが相変わらず毎月生活費が足りず 返してくれるのですが給料日の2 3日後には こんな自転車創業の生活をいつまで続けていくのか不安になります 

    桜の母 女性 70代以上
  • ハスラー says:

    私は養子縁組で息子二人を授かったので、子供たちと血のつながりはないのですが一緒に居ると性格や動き方が似てきますよね。なので我が家では「親が世界一優秀な人類になる=親が見本になる」を子育ての大前提としています。
    そしてこちらが感情にメリハリをつけ、遊ぶ、勉強、大事な話、怒るなどシーンによって声色や態度をまるっきり変えます。
    まだ相手の気持ちが上手くくみ取れないうちはそうした方がいいらしいです。
    そしてこれはわたしが字書きだからかもしれませんが、大きくなってきたら叱るときに答えや改善策をこちらが明確に示さずヒントだけ与えるようにしていました。
    自分で考え実行し結果につながった経験は将来に役立つ自己肯定感を育てますし。
    そして、思春期になるとプライベートを尊重して深く根掘り葉掘り聞かないようにしました。
    こどもを信じて信じぬき、いけないことはきちんとわかってもらう。
    それがハスラー家の教育の基本です。

    ハスラー その他 30代
  • 匿名 says:

    今の若い親御さんはあまりにも回りを気に過ぎる様に見えます。他の家庭はこうだとかあーだとかだからうちもこうしなきゃ駄目だとかあまりにも子供に色々押し付けてます。昔はそんなに子供に押し付けはなかったはずです。子供が転んで擦り傷が出来ても唾を付ければ直るからとしてましたよ。私も子供の頃傷があっても唾を付けてましたよ。余り子供に対して過保護では?意外とほっといても子供は大丈夫ですよ!一度痛い目に会えば意外と覚えますよ。ただ話しは良くした方が良い。あと私はよく兄弟と比べられました。60歳になっても嫌な想い出です。兄弟と比べられる事はしたらいけない。兄弟と比べられる事は屈辱です。大人になっても嫌な思いですよ!

      
  • 匿名 says:

    子育てに正解はないですよね。子供一人一人性格も違い、育った環境も違う。これは、大人にも言える事ですよね。子育ては完璧じゃなくてもいいと思っています。全て子供の為と思い一生懸命に子育てするのは正直、ストレスも溜まりますよね。子供と過ごす時間も大切だし、自分の時間も大切。頑張るところは頑張って、手を抜く所は手を抜いてもいいんじゃないかなと思います。個人的な意見ですが…。

    私は母子家庭で、小3の息子がいますが、知恵も付き言う事を聞かなくなり、怒鳴り散らしてしまう事がよくあります。お互いストレスになりますよね。でも、その時だけでおしまいにして、時間を置いたらまた、いつも通りの会話になります。時には手を上げてしまう事もありますが、殴る蹴るとかそんな事は絶対にしません。当たり前です。軽くパチンとする程度で…

    大人でも悪い事ってわかってても、感情が抑えきれない時もあります。子供だって同じです。だから、上手く子供と向き合って生活していく事が大事なんだなと思いました。子育中は常に課題がなくなりませんね。色んな人の意見を聞き、自分に合った子育てをしていこうと思います。

      

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