新宿区が児童相談所の開設を3年以上延期 経験豊富な児童福祉司を確保できず
中村真暁 (2019年9月11日付 東京新聞朝刊)
東京都新宿区は10日、2016年に特別区に児童相談所を設置することが認められたことを受け、21年4月に予定していた児童相談所の開設を3年以上、延期すると発表した。吉住健一区長が定例記者会見で説明した。
当初予定より9人多い19人が必要
4月の児童福祉法施行令改正で、児童福祉司を配置する基準の義務付けが、人口4万人当たり1人から3万人当たり1人に強化された。児童福祉司2人につき児童心理司1人を配置する必要があるため、新宿区の場合、児童福祉司が当初予定から9人増の19人、児童心理司が5人増の10人を採用しなければならなくなった。
新宿区は夜間に働く親が多いほか、生活基盤が不安定な家庭も多いことなどから、児相開設に当たり、別の自治体の児相で2年間以上働いた経験のある児童福祉司と児童心理司を、それぞれ割程度採用すると決めている。現状では「経験豊富」という面では、児童福祉司が7人、児童心理司が5人足りない。
未経験者は児相に派遣して育成
区は今後、未経験の児童福祉司と児童心理司を、都などの児相に派遣して経験を積ませ、人材を確保する方針。育成時間を考えると、3年以上が必要になるという。21年1月に完成予定の一時保護所は、一時的に関連施設として都に使ってもらうことを打診しているという。
厚生労働省の担当者によると、同法施行令改正による特別区の児相の開設延期は、「特段聞いていない」という。
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