女性候補増えるか 来年の選挙

(2018年8月24日付 東京新聞朝刊)

党により温度差

 来年春の統一地方選、夏の参院選に向け、各党で候補者擁立作業が始まっている。大きな焦点は、候補者の男女比をできる限り均等にするよう求める「政治分野における男女共同参画推進法」が今年5月に成立したことを受け、どれだけ女性の比率が増えるか。各党の姿勢には温度差も見える。 

 いち早く具体策を打ち出したのは国民民主党。国会議員全体の女性比率が10%余にとどまる中、あらゆる選挙で女性候補者の比率を30%にする数値目標を掲げた。玉木雄一郎共同代表は「できれば男女同数にしたい。候補者の発掘と育成に努める」と意欲を示す。

 資金面でためらう女性が多いことから、初めて立候補する場合、公認料などに最大50万円を上乗せする支援策も決めた。

 所属国会議員の女性比率が30%を超え、主要政党の中で最も高い共産党も積極派。党中央に現職や候補者の相談を受け付ける女性向けの窓口を設けている。小池晃書記局長は「(候補者を)男女同数に近づけるのが基本方針だ」と説明。女性の国会議員を増やすために、世界一高いといわれる供託金の見直しなど「選挙制度そのものを変える必要がある」とも訴える。

女性専用受付、政治塾…「逆差別」との立場も

 一方、立憲民主党は数値目標に言及していないが、女性専用の立候補受付窓口の設置を検討している。枝野幸男代表は「できるだけ女性を立てたい。水面下で出ていただける方に先行してお願いしている」と明かし、支援方法を具体化していく考えを示した。

 自民党は4月、政治に関心がある人を対象に「女性未来塾」を開講した。女性比率の数値目標などは設けていない。萩生田光一幹事長代行は当面の対応として、都道府県議会で党所属の女性議員がいない「空白県」の解消を目指す意向を示し「要は女性が政治に参加しやすい環境をつくっていくことだ」と強調する。

 公明党も数値は設定しない方針。山口那津男代表は「わが党は積極的に女性登用に取り組んできた。形式的な基準にはとらわれない」と説明し「女性を含め、役割や地域性を考慮しながら検討していく」と語る。

 日本維新の会も数値化に否定的な立場で、馬場伸幸幹事長は「逆に女性を差別することにつながる」と主張。性別より老若男女のバランスを重視する姿勢を示し「被選挙権を18歳に近づけるなど多様性のある政界をつくりたい」と話す。

 政治分野における男女共同参画推進法 

 「男女が共同して参画する民主政治の発展」が目的。強制力はないが、政党と政治団体に、国政・地方議会選挙で男女の候補者数をできる限り均等にするよう規定。目標値の設定も「自主的に取り組むよう努める」と明記した。国と自治体には、必要な施策の実施を求めている。超党派の議員立法により、先の通常国会で成立した。

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