2022年秋から男性が”産休”とれます 改正法成立もなお課題…男性が子育てに参加しやすい職場環境を

福岡範行 (2021年6月4日付 東京新聞朝刊に一部加筆)
 父親が育児休業を取りやすくするための改正育児・介護休業法などが3日、成立した。男性の育児休業の取得促進が期待されるが、子どもの病気などへの対応が女性に偏る現状があり、男性の子育て参加促進にはなお課題が残る。
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男性の育休取得とともに育休後もどう子育てしていくかが重要だ

企業側は「育休取るか」確認が義務化

 改正法では「男性版産休」を新設。妻の産休期間に合わせ、出産から8週間以内に計4週分の休みを取れる制度だ。会社への申請も通常の育休の場合は1カ月前だが、2週間前でよい。制度の導入は来年10月ごろが想定されている。

 このほか、育休制度を利用しやすい職場環境をつくるため、企業には従業員に子どもが生まれる場合、制度について説明し、取得するかどうか意思確認することを義務付けた。従わない企業の名前を国が公表することもできる。来年4月から開始される。

子の急病 仕事を休むのは女性が多い

 一方、育休後にも課題はある。ベネッセが運営する妊娠、子育て中の世帯向けのメディア「たまひよ」は2020年秋、18カ月以下の第1子がいる20~30代の女性約2000人に男性育休などのアンケートをした。

 配偶者・パートナーの職場環境では「子どもが生まれる前後や当日は休みをとりやすい」に「あてはまる」と答えた割合は7割近かった。一方「子どもの病気や用事などで休みをとったり早退遅刻はしやすい」は4割にとどまった。母親が急病時などの対応を主に担っている現状をうかがわせる結果で、多くの母親たちが日本を「産み育てにくい社会」と感じる一因にもなっていた。

共働き女性「なぜ私ばかり…」の不満

 出産に伴う配偶者の休みの取得状況では、出産前後や当日に休んだケースが43.8%。有給休暇などを活用し短期間だけ休む男性が多いとみられる。産後約1週間以上休んだケースは21.5%、特別な休みを取っていないケースは25.9%だった。

 調査を担当した山本沙織さんは「共働きの女性から『なぜ私ばかり早退、遅刻しなきゃいけないのか』という声は結構あった。(育児中の)男性への配慮が進んでいないことを感じた」と話した。 

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2021年6月3日

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