川崎市も教員不足が深刻化 しかし市教委は「働きやすさ」強調、請願は継続審査に

北條香子 (2023年8月31日付 東京新聞朝刊)

5月時点で60人足りず

 教員不足が全国的に問題となる中、川崎市の全市立学校でも今年5月時点で約60人が足りず、支援が必要な児童のための専任教員が配置できないといった影響が出ている。川崎市議会文教委員会には教員不足の解消を求める請願が付託され、30日に審査されたが、教職員の働き方改革など市教育委員会の取り組みの成果を見守る必要があるとして継続審査となった。

写真 川崎市議会

「働きやすい環境をつくっている」

 川崎市教委によると、育休や病気などで休職する市立学校教員は年々増加する一方、代替教員の確保が難しく、必要な補充ができていない。

 文教委員会では、鈴木朋子議員(みらい)が「なり手不足解消のために必要な解決策をどう捉えるか」とただしたのに対し、市教委の担当者は「川崎の学校は教員が働きやすい環境をつくっている。子どもと向き合える時間をつくる工夫もしている」と答えた。

昨年度は議会局のミスで審査せず

 今回と同趣旨の請願は昨年12月、1万1000人を超える署名とともに提出されたが、川崎市議会局のミスで審査されず廃案となった経緯がある。

 議会局によると、議事課職員が昨年6月に不採択となった請願と同内容と判断、審査を議事に含めなかったが、請願者から「昨年の請願と異なる議論が含まれる」と指摘された。

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  • まるまる says:

    川崎市の元教員です。2年前に退職し、現在は私立小学校に勤めています。

    はっきり言いますと私立と川崎市の教員が置かれている立場は天と地ほどの差があります。教員がとにかく足りません。悪循環の極みです。

    新任の質も低下しまくりです。力のある教員も尻拭いに追われて子供と休み時間に遊ぶなどということは全くできません。どんなに力がない教員も人が足りないので、犯罪でも犯さない限り首にはできません。休み時間に聞き取りなどをしている間に新たなトラブルが発生します。そうしたトラブルを元にした苦情のTELが毎日来ます。

    トラブルを元にしたTELならまだ諦めもつきますが、全く理不尽な訳のわからない保護者の対応も次から次にあります。公立学校はどんな親であっても辞めてくれが言えません。ストレスの捌け口のようにサンドバッグ状態の学校現場です。

    それなのに委員会や校長会が考えていること、やらせようとしていることには呆れます。現場の苦しみそっちのけで意味のないことをやらせまくります。自称研究会がすごいとか言っていますが、井の中の蛙で、全然大したことないくせに、そのせいで時間を奪われます。

    川崎市は他の自治体に比べて専科教員の数など少なすぎます。多くの学校で空き時間0の人たちがいっぱいです。教務主任やコーディネーターが担任と兼務しても意味のない報告やらなんやらは期日通りに出せと言われます。

    教頭先生は理不尽の極みです。16時間勤務くらいは当たり前です。残業が多いと叱られるので、退勤していないのにタイムカードを一度押して退勤したことにして働いている教頭先生は山ほどいますので、よく出される時間外労働の調査結果などは嘘です。

    明るい未来が見えず退職しましたが、私学は空き時間は週に15時間くらいは当たり前です。心穏やかに子供達とかかわり、たくさん遊べます。教員になる人、川崎市だけはダメです。

    まるまる 男性 40代
  • 元教員 says:

    働きやすい環境なら精神的な不調や働きすぎて療休とる人も少ないだろうし、産休育休だけなら臨任の先生いれれば60人も足りなくならないでしょう。

    部活動だけじゃなくて準備に時間のかかる行事や全市的行事をなくせている? 川崎市は教育に金をかける気はあるのだろうか?

    川崎市の教員採用試験の受験者は減るよ。

    元教員 男性 60代
  • 元教員 says:

    川崎市に限らないが、全国の教育委員会は何をすれば良いのか分かっていないのだと思う。

    そこで「#教師のバトン」地方版を提案したい(ご存じない方は「すくすく」でも記事があるので検索してご覧になって頂きたい)。

    現場で働いている教員の意見を吸い上げるという、単純な作りだ。そこから数多い意見を選んで、優先的に政策に反映させればよい。文科省は現場を知ろうともしないし、一応「形だけは」公教育は地方に任されているのだから、今更ではあるが、各教委の果たす役割は重いのである。

    元教員 男性 50代
  • 匿名 says:

    代替教員の確保のため1案として、産育休に関しては、出産予定が分かっていれば、年度初めからサポートとして代替教員に来てもらう。年度内に復帰しても、年度末まで学校全体をサポートしてもらうことはいかがでしょうか。
    途中から、教員の足りない他校へ行ってもらっても良いのですが、雇用を切らさないことが大切だと思います。

  • 匿名 says:

    育児休業や病気休業を支える代替教員の雇用の不安定さを何とかできないものでしょうか。
    せめて、休業を途中で切り上げて復帰する時には補助的な業務につき、代替教員に続けてもらうことはできないでしょうか。

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