目黒女児虐待死「同種事件で最も重い」懲役13年 裁判員の葛藤「13年を超えても…」
「しつけではない、と自覚する機会あったはず」
「法廷で争われた証拠に基づき、これまでで最も重い懲役13年にしました」
15日午後、東京地裁の法廷で判決文を読み終えた守下実裁判長は、雄大被告にこう語りかけた。雄大被告は裁判長や裁判員らに軽く一礼。判決主文の言い渡しから閉廷まで、終始硬い表情を崩さなかった。
守下裁判長は判決で、「児童相談所の関与により、暴力や食事制限はしつけではないと自覚する機会はあった」とし、香川県の児相が結愛ちゃんを2度にわたり一時保護した際に、虐待はやめられたはずだと指摘した。実際は、昨年1月に東京都目黒区に転居した後、虐待は一層激化した。
「苦しみ、悲しみ、絶望感は察するに余りある」
冷水シャワーを浴びせ、馬乗りになって顔を何度も殴打。異常に痩せた状態で嘔吐(おうと)していたのに、意識を失うまで病院に連れて行かなかった。裁判長は「虐待の発覚を恐れるという身勝手極まりない保身を優先し、生存確保への思いは二の次だった」と断じた。
「身体的苦痛や苦しみ、悲しみ、絶望感は察するに余りある」。裁判長がこう述べたときも、雄大被告はうつむいたままだった。
「懲役13年超えてもいいのでは」悩んだ裁判員
閉廷後、裁判員らが記者会見。子どもがいるという女性裁判員は「なぜここまでしたのか全く理解できず、審議中に動揺してしまった」と振り返った。
結愛ちゃんが書き残したノートの内容について、男性裁判員は「衝撃的だった。怒りを感じた」。一方、父親でもあるという別の男性裁判員は「親として許せないと思ったが、一つの証拠として見ることはできたと思う」と話した。
複数の裁判員らから「懲役13年を超えてもいいのではないかと悩んだ」などと葛藤が漏れたが、最終的には他の同種事件の傾向を踏まえ判断した。
女性裁判員は、雄大被告にこう求めた。「結愛ちゃんのことを忘れず、謝罪の気持ちを持ち続けてほしい」
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