児童養護施設が「モップ正座」虐待認め謝罪 元入所者の通告で埼玉県が調査
近藤統義 (2021年1月23日付 東京新聞朝刊)
埼玉県北部の児童養護施設内で幹部職員が繰り返し虐待をしていたとして、元入所者の男性(22)が県に通告した問題で、施設側が22日、埼玉県庁で記者会見し、モップの柄を足の間に挟んで正座させる虐待が7年ほど前にあったと認め、謝罪した。男性が訴えている他の虐待行為についても調査するとしている。
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別の入所者も証言「首を絞められた」
施設は熊谷市の「雀幸(じゃくこう)園」。昨年12月に通告した男性は副園長に突き飛ばされて額に傷を負ったほか、複数の子どもが暴力を振るわれるのを見たと主張。別の元入所者も本紙の取材に、首を絞められたり食事を抜かれたりしたと証言している。
会見した施設側によると、2018年にも虐待の通告があり、埼玉県の指導で第三者調査委員会を設置。当時はモップを挟んだ正座が虐待として認定された。副園長は役職を解かれ、現在は子どもとは接しない事務部門で働いている。
施設理事長「本人に直接謝罪したい」
今回の通告については、施設の代理人弁護士が職員や元入所者らに聞き取り調査を進め、必要であれば再び第三者委を設けて報告書をまとめると説明。当時の副園長は現段階で「(正座以外の虐待は)やっていないと思われる」との認識を示しているが、今後詳細を確認するという。
施設の新木裕信理事長は「虐待の事実が確認されたことは大変申し訳ない。機会があれば、(通告者)本人に直接謝罪したい」と陳謝。一方で「虐待が日常茶飯事のようにあったとは思っていない」とも述べた。
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