体操服の下は肌着禁止「汗で体を冷やさないため」 川崎市立小のルールに批判「性への配慮欠ける」
安藤恭子 (2021年3月17日付 東京新聞朝刊)
川崎市立小学校の一部で体操服の下の肌着着用が禁じられ、嫌がる児童がいると市議会で指摘を受け、川崎市教育委員会が全校調査を始めたことが分かった。肌が透けて見える心配もあり、専門家からは「子どもの性への配慮に欠けている」との声も。市教委は「各校の状況を把握し、早急に指導をやめる方向で見直す」としている。
児童は「気持ち悪い」 市議会で明らかに
「肌着着用禁止」の問題が取り上げられたのは9日の市議会予算審査特別委員会。山田瑛理議員(自民)が「気持ち悪い、嫌だ」という児童の声を聞いたとして、「体操服の下はすぐ肌ということ。そういう指導があるのか」とただした。
川崎市側は「市教委としての指導はしていない」とした上で、運動後の汗で体を冷やさないなど健康・衛生管理面の配慮から、「一部の学校で、主に低学年の児童に対して肌着を着用しないよう指導している」と認めた。
ブルマー強制、下着指定と同じ”管理教育”
市教委によると、これまで複数校で肌着禁止の指導を確認。保護者への周知はなかった。議会後、SNS上で批判が高まり、市教委は12日、全校調査を開始した。市教委健康教育課は「汗をかいても、着替えの肌着を持参すれば代替できる。子どもの気持ちに配慮したい」としている。
公立中学校の元養護教諭で一般社団法人「“人間と性”教育研究協議会」(東京)代表幹事の金子由美子さんによると、同様の事例は各地の小学校で起きてきた。「かつてのブルマー強制や下着の白色指定も同じ。管理教育の中で、子どものプライバシーを軽んじる、旧態依然とした指導が行われてきた」と金子さんは指摘する。「先生たちが子どもの体の発達や関心に応える性教育に真正面から向き合い、安心して通える学校へと変えていくことが大切だ」
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