小学校の先生「もう限界」コロナ&タブレット対応で多忙に拍車 魅力発信ツイッターのはずが悲痛な声

土門哲雄 (2021年5月18日付 東京新聞朝刊)
 「出勤7時、退勤21時、休憩なし。もう限界です」―。全学年での少人数学級化が進む小学校で、教員の多忙が深刻だ。続く新型コロナウイルス対策や授業のデジタル化の準備などが重なり、文部科学省が教職の魅力を広めようとツイッターで始めた「#教師のバトン」プロジェクトは、皮肉にも現場の悲痛な書き込みであふれる。 
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文科省が3月にツイッターで始めた「#教師のバトン」には教員の悲鳴があふれる

超過勤務が月に100時間超

 「4月の超過勤務は100時間超。初めての学年を受け持つのに、教材研究に十分な時間が取れない」

 静岡県の小学校の30代男性教員が取材に嘆く。4月は入学式や始業式があり、校務の分担も変わる。授業のほか会議や書類作成、宿題やテストの丸付けに追われる。コロナ対策で放課後は教室の机やいすを消毒し、休んだ子どもには電話で健康状態などを確認する。

 「現場で削れる仕事はほんの一部。文科省が本気で動かないと、どうにもならない」と男性は訴える。

 デジタル化で昨年度中に、タブレット端末がほぼ全ての小学校で児童に1台ずつ配備された。東京都内のベテラン女性教員は「機器の準備が忙しさに拍車をかけている。扱いに慣れた人ばかりではない。セッティングやセキュリティーにみんな困っている」とこぼす。

新任教員が精神的な不調を…

 女性の学校では、仕事を抱えきれない新任教員が精神的な不調で出勤できず、他の教員が交代で授業をすることになった。「忙しすぎて話を聞いたり指導する余裕がなかった」

 都内の別の女性教員は「タイムカードをつけた後も遅くまで残業している。管理職は『早く帰ろう』と言うけど、帰れるわけがない」と訴える。教職員給与特別措置法で残業代は一律4%とされ、長時間勤務の歯止めになっていない。

 産休育休の代替教員探しにも苦心。江東区の元小学校職員本間たつやさん(64)が3月まで勤めた学校では昨年度、5人が産休育休で抜け、うち1人の代わりが見つからず副校長や他の教員で穴埋めしたという。

「#教師のバトン」とは

 学校現場の働き方改革の好事例などをSNSで発信してもらおうと、文科省が3月に開始。前向きな投稿で教職の魅力を伝える狙いがあったが、開始直後から過酷な勤務実態の訴えや改革を求める声が相次いでいる。

採用倍率は低迷、35人学級へ課題 「労働環境や待遇面の改善を」

 公立小学校の2020年度の教員採用倍率は、過去最低の2.7倍だった。今後5年で全学年で35人学級を実現するため、約1万3000人の教員が必要。教員志望者が減る中で質の高い人材をどう確保するのか。文科省は免許更新制を見直す他、有効期限が切れた人の復職を促したり、外部人材を活用したりする方針。

グラフ 公立小学校教員採用の推移

 慶応大の佐久間亜紀教授(教育学)は「教員不足は教員の世代交代や特別支援学級の増加などに加え、教員養成数を削減し、雇用形態の非正規化を進めてきた国の政策によって引き起こされた面もある」と指摘。「学生たちが安心して教職に就けるよう、労働環境や待遇面の改善で魅力を高め、志願者を増やしていく必要がある」と話す。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2021年5月16日

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  • 匿名 says:

    教師のバトンがツイッターで炎上したり、テレビでも教員の実態が取り合えがられたりしたけど、何にも変わんないんですね、この国は。

    そんなことだから、現場で教員が自分で仕事を減らすんですよね。それしか自分を守る方法はないんですよね。だから、学力も落ちる。子どもも安心して学校に通えなくなる。そんな負の連鎖になってること分からないんですよね。

    今の40代以上の先生方は教員採用数が氷河期だったこともあって本当に子どものためを思って熱意ある教育をされている方が多いように思います。本当に尊敬します。しかし、過労死もその年代の方や若手のなりたての方が多いように思います。

    ここで発言しても対して何も変わらないと思いますが、これからの日本の教育現場が良くなってくれることを心から願っています。
    私は教員をこれからも続けていくことは出来ません。

     女性 20代
  • Pyonta says:

    Hawai在住
    ハワイの教員は、二つ仕事をしているひともいます。ヨガの先生、塾の先生など。
    仕事の分散化がないのですか?
    問題のある子がいるとそれに対応する先生が常時学校にいます。保険の先生とは別に。
    お昼は、ランチモニターをやとっていますから、昼ごはんは同僚とゆっくり食事など、あるいは買い物などにも行けます。放課後は、アフタースクールがあって、その会社が子供の面倒を見ます。
    先生は、定時に帰宅です。
    仕事の分担化が必要です。

    Pyonta 女性 30代
  • 匿名 says:

    タブレットは子どものほうが慣れるの早いです。あっという間です。個別の情報端末はいいとして(セッティングなんか最初だけですよね)、校内ネットワークやクラウド整備は教員の知識や守備範囲を超えるところと思います。
    IT支援は事務員やエンジニアに任せろと言いますが、事務員は一校一人しか配置されていません。第一、事務員は何でも屋ではありませんし情報ネットワークに知識があるわけでもないのに何を期待しているんでしょうか。
    タブレットの備品管理と言う点では用務員のほうが業務に近いと思います。エンジニアに近い存在としてはICT支援員は一校に一人も居ません(巡回)がこちらの増員をお願いしたいです。

      
  • 匿名 says:

    人は人を見て育ちます。
    こどもたちは人を見る能力がさらに強いです。
    今の教師を見てこどもたちはどのように育つのでしょうか?
    忙しくても耐えるしかない人生を嘆くのでしょうか。
    希望のある未来を見せていきたいです。

      
  • 匿名 says:

    国の宝である子どもたちの教育が、蔑ろにされていると感じます
    国はなにに力を入れているのか…
    全く伝わりません
    先生という職業の地位向上と待遇の改善を願います
    人としての社会規範も、集団行動の学校教育の中で教わり、人としての道徳的観念も学校教育の中で培われていくと思いますので

      
  • 匿名 says:

    もう教員みんなでストライキをすべきであると思います。子供たちが困るって?それでいいです。

      
  • 匿名 says:

    大学教員ですが機器やアプリの設定に手間、時間がかかるのはよくわかります。教師はそういうことの為に働いているわけじゃないですよね、本来なら。ましてや何もわからない小学生をたくさんかかえているとなると本当に大変だと思います。グレイゾーンの仕事を教師に押し付けないで事務員やエンジニアがやるべきです。教師は国によってはなりたい人がたくさんいる、素晴らしい職業である筈なのに、日本ではそんなこと想像もつかないくらい酷い待遇ですよね。少しでも改善してほしいです。

      
  • 匿名 says:

    早くシステムエンジニアを学校に置いて下さい。コロナ終息まで部活や行事無しにしないとたくさん過労死して休職する職員が増える一方です‼️

      

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