コロナ禍で困窮する子育て家庭、84%が食費切り詰め「おかずを減らす」「親だけ2食なし」 港区のNPO調査
宮本隆康 (2021年9月2日付 東京新聞朝刊)
困窮する子育て世帯の96%が「コロナ禍の影響で生活が厳しい」と考えていることが、港区のNPO法人「みなと子ども食堂」が行ったアンケートで分かった。収入減のため「食事の回数を減らしている」「エアコンを付けない」などと回答が寄せられた。子ども食堂の関係者は「港区以外でも、逼迫(ひっぱく)は深刻なはず。支援策が足りていない」と訴えている。
無料配布のため用意した食料品=「みなと子ども食堂」提供
フードパントリーの利用世帯、96%が…
みなと子ども食堂は2020年5月から月1回、子育て世帯に無料で食品を配るフードパントリーをしている。8月18日の利用者に緊急アンケートし、全124世帯が回答した。
回答者のうち91.3%がひとり親世帯。50%がパートや派遣社員などの非正規雇用で、4人に3人が不安定な雇用形態。失業中は25.8%で、半数近くがこの半年で職を失っていた。
「コロナ禍の影響で生活が厳しい」と答えた119世帯では、87.4%が昨年の収入は360万円未満で、72.3%は240万円未満だった。
1カ月間の減収額は、「3万円以上」が50.4%、「1万円~3万円未満」が25.2%だった。
塾をやめた、シャワーだけ、移動は自転車
収入減を補うため、生活で切り詰めていることを、複数項目回答で尋ねたところ、84%が「食費」を挙げた。次いで「娯楽費」72.3%、「貯金の取り崩し」60.5%、「光熱費」44.5%などだった。
食費を削った世帯は「炭水化物を増やし、おかずを減らす」「消費期限切れでも食べる」「自分だけ2食減らした」などと答え、子どもに不自由させないように節約している様子も浮かぶ。
「学費」も32.8%あり、塾通いをやめたり、参考書を買わなかったりしていて、子どもに影響も出ていた。
また「湯船に水をためずシャワーだけにした」「自転車で行ける範囲しか行かない」との回答もあった。
福崎聖子理事長は「コロナ禍で困窮する子育て家庭がみるみる増えている。明日のごはんにも困っている窮状を知ってほしい」と話している。
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