困窮家庭のために制服や体操着をリユース 宇都宮市で取り組み広がる
原田拓哉 (2022年1月6日付 東京新聞朝刊)
中学校や高校などを卒業して不用になった学生服を再利用しようという取り組みが、宇都宮市内で広がっている。スーパーやクリーニング店、サッカーJリーグの栃木SCなどが回収ボックスを設置。文星芸術大学とも連携し、安価な学生服を提供している。学生服リユース店「さくらや宇都宮店」を運営する皆川純子さんは「学生服は思い出がいっぱい詰まっているが、後輩たちのために協力して」と呼び掛けている。
協力店など30カ所に回収ボックス
皆川さんは昨年8月、学生服のリユース店を全国展開している「さくらや」の活動に参加。幼稚園、保育園から高校までの学生服や制服と、中学校、小学校の体操着の回収を始めた。回収ボックスはスーパーなどの店舗のほか、栃木SCの試合会場に設置し、自宅のタンスなどに眠っていた学生服を寄付してもらう。協力店・企業などが徐々に広がり、回収ボックスは現在、30カ所に上る。
学生服や体操着は洗濯、クリーニングした後、「新品」から「少しほころびあり」まで4ランクに仕分けし、販売する。新入生だけでなく、サイズが合わなくなった在校生にも提供する。さくらや宇都宮店では買い取りもしている。
おやつカフェや学習活動の支援も
皆川さんはこのほか、経済的に困窮する家庭の子どもたちを支援しようと毎月2回、「おやつカフェ」を開いている。ボランティアの大学生も加わり、学習活動も手助けしている。
栃木SCで活躍する宇都宮出身の小堀空選手の高校時代の制服も、母親が「思い出があり、処分できずにいたが、困っている誰かのためになれば」と試合会場で寄付した。
皆川さんは「貧困世帯への支援の一環だが、リユース商品への抵抗感もなくなってきており、活動の輪をもっと広げていきたい」と話す。問い合わせは、さくらや宇都宮店=電話070(1579)0320=で受け付けている。
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