脱「平日6時間授業」5時間の日もつくります 南房総市、ゆとりのために夏休み短縮
山本哲正 (2022年4月27日付 東京新聞朝刊)
平日6時間授業から、週2、3日は5時間授業へ―。南房総市教育委員会は本年度から、教員や子どもたちの生活にゆとりを持たせるため、小中学校で5時間授業の日を捻出する。三幣貞夫教育長は「全国でも珍しい取り組み。ゆとりある教育環境をつくり、移住、定住へのきっかけにもしたい」と話している。
教員不足が課題 昼休みカットの現状
南房総市教委によると、全国的な課題となっている「教員不足」は千葉県内も同じ状況で、長時間勤務などが影響している。教員の授業力を高める研修時間は、各校で昼休みをカットしてつくっているのが実情という。
また、少子化を背景とした学校統廃合が進む南房総市では、小中学校でスクールバス登校も多く、子どもたちが集団で遊ぶ時間が少ない。5時間授業で放課後の時間を遊びに充てることで、この問題の解決も期待している。
授業数が減る分は、夏休みを5日間短縮し、さらに体育祭・運動会の練習時間などの見直しをして補う。三幣教育長は「小学校で英語の必修化のため授業時間を確保しようと夏休みを短縮する事例はあるが、ゆとりのための取り組みは聞いたことがない」と語った。
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