練馬区の小P連で会計役員が約250万円流用か 詳細明かされず不信拡大 問われるPTAとP連の存在意義
当時の役員らが調査 活動は停止中
練馬区小P連は、区内にある区立と国立の小学校54校のPTAでつくる。各PTAからの分担金と繰越金で運営され、昨年度の予算は402万円を計上。広報紙の発行、スポーツ大会の運営などに使っていた。現在は調査のため活動を停止中。けがをした児童に支給する見舞金の支払いが止まっている。
東京新聞の取材に対し、小P連は口座から不適切な引き出しがあったことを認めた。5月中旬、昨年度の決算作業中に見つけたという。会計担当者による資金流用だとみて、当時の役員らでつくった臨時委員会が聞き取りなどの調査を行い、会計担当者がこれまでに150万円を返却した。本紙は会計担当者の属性や流用先、刑事告発の有無なども問い合わせたが、小P連は「調査中」を理由に回答しなかった。
会計担当は2人 保護者と小学校校長
関係者によると、小P連の役員11人のうち保護者は6人で、残り5人は学校長。役員の会計担当は2人で、同じ小学校の保護者と学校長が名を連ねている。会計役員の校長は本紙の取材に「名ばかりの役職で、会計作業に一度も関わったことがない」と関与を否定。保護者側の会計役員には接触できなかった。
不適切会計は5月に加盟者に文書で伝えられたが、詳細が明かされない上、不正を起こした側の役員で調査を行っていることなどから加盟PTAに不信感が広がっている。区内のPTA役員は「不適切会計はもちろん、役員の校長が何も業務をしていないというのは無責任すぎる。PTA活動全体のイメージが悪くなる」と憤慨。「小P連は関連業務や分担金が負担となっており、脱退も議論している」と明かした。
P連の活動が負担…近年は退会するPTAも
「やらされている」意識でモラル低下
P連は市区や都道府県、全国の単位であり、最大組織の日本PTA全国協議会には約2万5000校のPTAが加盟。P連の活動は広報紙発行や講習会、行政への働き掛けなどだ。
スタッフは傘下のPTAの役員が兼務することが多く、活動費も各PTAが負担する。業務や多額の金銭の管理は、自校の活動で手いっぱいの保護者の負担に輪をかけている側面もあり、近年は退会するPTAも少なくない。
一方、各校のPTAでは「強制入会」の慣習が問題視され、近年は本来の自由参加型にしたり、活動の一部を民間業者に委託するケースが増えている。防犯活動の一部を民間委託した千葉県流山市の小山小PTAの峰松拓毅(ひろき)会長(41)は「民間活用で業務を効率化したことで、くじ引きで誰かにやってもらわないといけなかった委員のポストを廃止でき、活動をボランティア制にできた」と語る。
過去に東京都世田谷区の小学校でPTA会長を務めた専修大の岡田憲治教授(政治学)は「PTAもP連も『やらされている』という意識になると、モラル低下や、やる気喪失につながる。共働きが多く、保護者が多忙な現代においてもP連は必要なのか。各地で存在意義を確かめるべきだ」と指摘した。
PTAとは
「Parent Teacher Association」の略で、保護者と教職員でつくる任意団体。米国が発祥とされ、日本では戦後、連合国軍総司令部(GHQ)の働きかけで設立が進んだ。1950年代には約9割の小中高校でPTAが組織され、学校給食の普及などに貢献した。全国や都道府県の協議会、連合会もこのころに設立された。
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知りたい
PTAという組織を全ての学校で廃止しても困らないように、文科相は指針を通知して欲しい。
墨田区ではPTAが任意団体という理由で教育委員会は介入できないとしか対応してくれません。
区からPTA会長会を通じて各学校PTA会長は任意加入を知っています。にもかかわらず、説明をせず、校長も問題無しとしている所があります。会員は主に保護者であり、任意を知らない親もいるので自発的な団体とはいえない。記念品をあげないなどを盾に退会阻止行為もあります。教育委員会が介入できない団体を、公立学校に設置しないで欲しい。中学校でも入学式に3年分の役員決めがあり、補欠まで決めています。
PTAの問題は教育予算を付けない国や自治体にあり、任意を周知しない自治体の体制だと考えます。選挙で統一協会が関与していたり、PTAは票田になっているなどの話も聞きます。学校ごとのPTA運営云々よりも、こういった自治体の実態調査をして欲しいです。