所沢市が育休退園制度を廃止 「市長が変われば生活が変わる」新市長の小野塚氏、子育てしやすく転換
中里宏 (2023年10月31日付 東京新聞朝刊に一部加筆)
保護者が第2子のために育休を取ると、上の子が強制的に保育園を退園させられる埼玉県所沢市の「育休退園制度」を巡り、市長選で初当選した小野塚勝俊市長(51)は30日、就任会見で廃止を宣言した。制度は2015年度から続き、保護者に不評だった。小野塚市長は「きょうが子育てしやすい所沢市に転換していく最初の日。市長が変われば、生活が変わると申し上げてきた通りにしたい」と述べた。
既に退園の子も検討
制度は、保護者が第2子以降の出産で育児休業を取得すると、上の子(3歳未満)は通っていた保育園を退園させられる。2022年度は105人が退園した。
小野塚市長は、30日からは退園を強制せず、既に意思に反して退園させられた子どもも希望に応じて保育園に戻れるよう検討する考えも示した。
ただ、制度では育休退園すると上の子の再入園と下の子の新規入園の際、保育の必要度の評価点数が加算され入園が有利になる特典もあった。小野塚市長は、既に子どもが退園した家庭には加算するなど「丁寧に運用する」とした。
保育現場は歓迎の声
所沢市内の保育現場では、廃止に歓迎の声が上がった。私立保育園園長の女性は「制度に反対だったのでよかった」と喜んだ。
この園でも育休退園のケースがあり「退園になった保護者は上の子と乳飲み子を抱えて寝られない。また、1カ月の子を連れて上の子と公園には行けず、結局、家の中でばかり過ごすことになる」と指摘。「子どもにとっても、保育園のみんなと楽しかった毎日が突然、打ち切られてしまう。大人の都合を子どもには理解できない」と語った。
所沢市長選の経緯 「留守番禁止」条例案の撤回が影響
無所属新人の元衆院議員・小野塚勝俊さんが、自民、公明両党推薦で4選を目指していた無所属現職・藤本正人さんを破り初当選した。告示直前に、埼玉県議会で自民が提出した子どもだけで外出や留守番をさせることなどを禁じる「虐待禁止条例改正案」を巡り、保護者らの反発で撤回する騒動があった。市の育休退園制度とともに子育て世代の関心を呼び、投票率が38.80%で前回より6.81ポイント上がったことが、小野塚さんの当選を後押ししたとみられている。
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保育園兄弟で別々園になり送迎に苦労しました。いまは学童が3年生までしか入れなくてどうしようか悩んでる。職場の大宮市、川崎市の人達は6年生でも学童利用ができる。所沢市はできるとはいえ入れない。放課後事業を、拡大してほしいです。
共働きでない家庭も公平に
第2子の産前から上の子が入園できるようにしたらいかがでしょうか