もうすぐ5歳になる長男の読み書きが心配です〈宮里暁美の子育て相談〉
姉は4歳でひらがなを習得していました
もうすぐ5歳になる長男はひらがなの読み書きが、自分の名前以外はまだできません。3つ年上の長女が4歳前半でひらがな全部を読み書きできていたのに比べて心配です。どうやって興味を持たせたらよいでしょうか。(30代母親)

イラスト・永須華枝
好きなことの絵本や図鑑を活用して
同じ家庭で育てていても、お子さんによって歩み方が違うのですね。一人一人のお子さんに違う歩みがあり、そこに魅力があります。その違いを、まず大事に味わってください。
「どうやって興味を持たせたら」と考えている視点はとても大切です。「興味を持つ」ということが子どもの学びにおいてとても大切だからです。「興味」は、言い換えれば「好き」という気持ちです。虫が好き、恐竜が好き、歌が好き、踊りが好き、絵を描くのが好き、オシャレが好き、本が好きなど、それぞれに好きなことがある。それが「興味」であり、学びの入り口です。
弟さんの好きなことは何かな? それが出発点になって文字への興味が広がることもあります。例えば虫好きだったら図鑑をプレゼントします。初めは絵に引かれてページをめくっていますが、そのうちに「何て書いてあるの?」と聞いてきたり、「読んで」と言ってきたりするはずです。
その時がチャンス。本の中に面白いことがいっぱい詰まっていて、それが「文字」で書かれているということを知ったら、きっと文字に興味を持つようになります。どうぞ、その時を待っていてください。
家の中には絵本や図鑑、新聞などがありますか? 現代はオンラインでさまざまな情報を得られるペーパーレスな時代です。その大切さを十分分かりながらも、子どもが幼い頃は手で触れることができて、自分のペースで何度でも出会うことができる絵本や図鑑などの情報源を大切にしてほしいと願っています。
豊かな情報が詰まった絵本や図鑑を構成しているのが写真やイラスト、文字です。そこに案内役の大人が登場することで「興味の扉」が開くのです。まだ文字が読めない今だからこそ、親子で豊かな時間を過ごせるチャンスです。どうぞ大切な時間をお過ごしください。
(文京区立お茶の水女子大学こども園・前園長、お茶の水女子大学特任教授)
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