夫に怒っても限界が… 産後クライシスの社会的な背景、どう変えていく?〈座談会・私たちの産後クライシス③〉
夫に雷を落としても変わらない
そのためにも、例えば「10歳未満の子がいる場合は夫婦とも5時には退社させなければいけない」と企業に課すとか、社会の仕組みが変わらないと。月1回、夫に雷を落としていても変わらない。
読者のコメント⑦社会的な背景
育児がどこか人ごとの夫。仕事から帰れない夫。家庭だけでは解決できない社会的な背景も。産後クライシスの記事に寄せられたコメントを抜粋して紹介します。
◇毎日終電…働き方改革って何?
出産後ずっとワンオペ育児。夫は毎日終電で、朝は比較的ゆっくりな出勤のため、帰ってきたらケータイでゲームか漫画読んでそのまま寝落ち。朝起こすまでほとんど起きない。少しでも早めに寝て、早めに起きて、自分のことは自分でしてほしい。土日もどちらかはだいたい仕事。働き方改革って何? 2人目を妊娠中だが、育休とってほしいと言っても「多分無理」。すごく不安。
◇男性が「問題なし」と思う理由
男性って仕事から帰ってきて、目の前に元気な嫁と子供がいるから、その場面だけ見て「問題なし」と思うのでは。しんどいと言われないと気づかない。家事を手伝ってほしいことも察せない。仕事で疲れていると自己主張しているのを無意識に察してしまう女性はSOSも出しにくくなり…。「男性はこういうもの!」という事柄を書いた紙を産院でもらうと、あきらめてその後のしんどい生活を受け入れやすくなるかも…。それか「家に帰ったら奥さんを大切にして子育てを手伝わなければならないっ!」と仕事場で命令してほしい。命令する上司も家庭かえりみずの時代の人なんだろうけど…。上が変わらんと下は変わらん!国規模で変わってくれ!
◇外国人の夫は「やるのが当たり前」
夫は外国人で、お国柄、子どもの扱いにも慣れてる。子育てはご近所や親戚、友達などみんなでやるのが当たり前の雰囲気。だから産後は私の方が夫から赤ちゃんとの関わり方を学んだ感じ。貧しい国の出身で、母国の家族を養うために日本に働きに来た人だけど、心は日本人の方がずっと貧しいなと思った。
◇日本人の「お母さん」という意識
数々のコメントに心が痛くなりました。そうそう、そうなんだよ!って。この不公平感はたぶん、妻も夫も同じ大人なのに、妻だけ大人の対応が求められるということなんだろうな。なぜなら妻は「お母さん」だから。日本人に無意識的に刷り込まれてるこの意識を変えない限り、母親の負担はなくならない気がする。
◇育休OK出たのに白紙に
元々同じ会社だったので、夫の職場の人間や労働環境がブラックなのは分かっていた。心拍確認後すぐ報告し、里帰りしない予定なので会社に頼んで、泊まり勤務無し・育休も取得可能という事で会社がOK出し書類も提出し受理してもらった。しかし産後やっぱり人が足りないからと育休は無し、退院すぐ泊まり勤務ばんばん入れられた。やっぱりかと落胆した。
思っていることを全部、言おう
そして、専業主婦のママならではの大変さもあると思います。
でも1年くらい前に、いろいろ考える中で、私も思っていることを全部言おう、と思うようになりました。言われて嫌だなと思ったらすぐに伝えるようにしていたら、だんだん夫も昔ほどは…。最近は少しずつ変わってきた気がします。
先輩風を吹かせたら自覚も出た
読者のコメント⑧夫がようやく…
何もしなかった夫が変わった、というコメントも産後クライシスの記事に寄せられています。「あきらめないこと」も大事なようです。抜粋して紹介します。
◇「育休取らないなら」が効いた
1人目の際、事情により両親に頼ることができず退院後すぐワンオペに。自分なりに頑張ったところ産後うつを発症。今でもトラウマだが、限界の自分を夫に見てもらえたことは良かったのかも。その後は何かと協力的に。ただ、夫に2人目がほしいと言われた時は、育休をとる気がないなら作らないと話した。正直期待は薄かったが、2人目の出産時に2カ月の育休をもらってくれて本当に助かった。大変な新生児期(上の子のフォローも)を夫婦ともに経験できたことが、何よりうれしかった。一時は1人で子供を育てる覚悟もしたくらい夫への愛は冷めていたが、今は感謝の気持ちで日々頑張ろうと思える。
◇箇条書きメモに「ごめんね」
第2子をどうするか話し合っていた時、長女の出産後に体調や家事が大変だったことを箇条書きで書いたメモを読みながら話し合った。夫は「こんなにやることがあったんだね。ごめんね。なんでもするから一緒に頑張ろう!」と言ってくれた。生後7カ月ですが、お世話は夫一人ですべてできるので、外出もできて何とか乗り切れそう。
◇2人目出産時、夫が「任せとけ」
昨日2人目出産。なのにその夜から長女が発熱。自営業の主人は今日は午前だけ仕事の予定だったが、1日休みにして、娘の通院と看病をしてくれている。今までは娘が体調を崩すと丸投げされていた感があり、つらくて泣いたこともあったけど、今回は「任せとけ!何とかする!」と言ってくれて助かっている。そういえば、娘が小さい時はどんなに泣いても起きなかった主人が、いつの間にか、娘の夜中のトイレで起きて連れてってくれるようになったのも成長だなぁ。妊娠中は自分のトイレが頻繁すぎて、娘のトイレにまでつき合いきれなかったからほんとに助かった。
◇1人目であきらめなくてよかった
出産し退院して家についた途端、「ラーメン作って!」と言っていた夫。夜泣きでヘロヘロで赤ちゃんおんぶしながらやっとの思いで夕食作ったのに「つまみは?」と言われたことも。そんな夫も少しずつ成長し、今や3児の父となり、育休も取得し、家事や育児にも積極的になった。ひとり目であきらめなくてよかった。
◇離婚された同僚を見て改心
第1子の時、自分はネットや育児書を見ながら必死で育児してるのに、夫は指示待ち。「何していいか分からないし、間違ってると怒られるから」と当事者意識がなかった。不安と孤独の毎日なのに、夫は仕事が忙しくて帰りは遅く、私は毎日泣いていた。部署異動してほしい、育休取ってほしいと訴えたけどはぐらかされた。仕事が大事といっても心身ボロボロの妻より大事なのか?とガッカリした。家庭より仕事を重視した結果、離婚された同僚を目の当たりにして、考えが変わったようで、2人目の時はかなり子育てに積極的になり、私の入院中も上の子と2人きりで過ごせるくらいになった。大きくなって一緒に遊ぶのが楽しくなったとのこと。
仕事が忙しくてあまり家にいないと、子どもの成長ぶりがよく分かっていなくて、接し方がとんちんかんということにもなります。「それはもうできるよ」とか、しなくていいことをしちゃったりとか、それでさらにストレスがたまります。
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