〈清水健さんの子育て日記〉8・今日も泣き笑い
息子と一緒にクリスマスツリーの飾り付け。金や銀にキラキラ光る丸いオーナメントに息子とパパの顔が映る。そこには弾(はじ)けんばかりの笑顔が。
この時季は、正直ちょっとつらくなる。いつまで言ってんだって思われるかもわかりません。でもね、妻の入院生活は長引き、病状も厳しいことが告げられ、妻と生まれたばかりの息子に「コーヒー飲んでくるわ」って言って、ひとり病室を抜け出し、もうダメなんかな…、そんなこと考えたくもないのに、寒空の下で、悔し涙を流したのがこの季節だった。笑顔でいてくれる妻の前で僕は強がった笑顔を見せていたな。今でもたまらなく悔しいけれど、その笑顔は、お互いへの、そして息子への最高のプレゼントだったように思う。
家に帰って5分、着替えるまもなく、「僕の遊び場へどうぞー」、満面の笑みで。普段は、我慢させちゃってるから、時間があれば付き合っていきたい。心も体もクタクタの時もあるよ、みんなどうやって働きながら子育てしてるんだろう。決して甘えているわけではなくて、仕事はしなくちゃいけない。当然です。みんなそう。でもその中で、仕事も子育ても中途半端になってないか。こんなんでいいんかなって。
みんなが助けてくれる。ご近所の方たちも、家族も、仲間も。周りには、いつも笑顔があって。この間は、いつもお世話になっている隣のお子さん2人と、わが息子と僕の4人でお風呂に。体を洗って湯船にチャプンしたと思ったら子どもたちが、水鉄砲で僕の顔にピューって。まあ、それはいいとして(笑)、3人、風邪ひかないように順番に体をふいて。そりゃじっとしない、「ちょっと待って、まだ髪の毛」。でも3人の子たちはご機嫌の笑顔。大変だけど、たまらない時間です。
ママ、笑ってね。お風呂場でてんてこ舞いのパパの姿。2018年ももう終わり、今年もたくさんの方に助けてもらいました。ありがとうございます。奈緒の分まで。
「112日間のママ」(小学館)の出版からご依頼いただく講演会は200回を超えました。めっちゃ忙しい、でも、約束守っています。ママが好きだったマイクをもつ姿、「伝える」。見てるかー、この姿。息子にはちょっと我慢させているかな。でもね、今日も泣き笑い、笑顔です。パパも皆さまのおかげ。「パパ、お風呂入ろー」「はーい」、行ってきます。(元アナウンサー)
しみず・けん
1976年、堺市生まれ。2001年、読売テレビ入社。13年5月に結婚し、14年に長男誕生。約4カ月後に妻を亡くす。17年1月に退社、講演活動を中心に活躍する。著書に「112日間のママ」(小学館)、「笑顔のママと僕と息子の973日」(同)。
なるほど!
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