音楽の知識がなくても作曲家になれる 蕨市で6月14・15日に体験会、小中学生を募集 「左手のピアニスト」智内威雄さんが8月の音楽祭で披露

福田真悟 (2025年5月23日付 東京新聞朝刊)
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昨年のワークショップで子どもにアドバイスする智内威雄さん(左)=蕨市教育委員会提供(一部画像処理)

 蕨市は来月、市内の小中学生が作曲に挑むワークショップを開く。完成した曲は、指導に当たる市出身のピアニスト智内威雄(ちないたけお)さん(48)が8月の市民音楽祭で披露する。音楽の知識や経験がなくても「作曲家」になれる。そんな貴重な体験を味わいたい参加者を募集中だ。

局所性ジストニアで片手奏法のプロに 

 ワークショップは、小学生低学年(1~3年)と、同高学年・中学生の2コースに分け、6月14、15日の2日間にわたり、市立中央公民館で実施する。

 講師の智内さんは「左手のピアニスト」として活躍しており、2014年から市のPR大使を務めている。ドイツに留学中の2001年、筋肉が異常収縮する局所性ジストニアを右手に発症。以降、左手だけでピアノを弾く奏法を研究し、コンサートや片手演奏の普及に各地で取り組んでいる。ドキュメンタリー番組で紹介されたこともある。

昨年のワークショップで参加者に楽譜の書き方を教える朴守賢さん(右)=市教委提供

映画やドラマの音楽などで活躍の講師も 

 もう一人の講師は、作曲家の朴守賢(パクスヒョン)さん(45)。朴さんは国内外の作曲コンクールで数々の受賞経験を持ち、吹奏楽や室内楽作品のほか、映画やドラマの劇伴音楽など幅広く作編曲を手がけてきた。

 参加者は、講師から音符の書き方や楽譜の仕組みを教わり、自らの考えたメロディーをパソコンソフトで楽譜に起こす。その後、智内さんが実際に弾いてみた上で加えたアレンジや、アドバイスを基に曲を仕上げ、題名を付ける。

 作品は、今年で11回目を迎える「蕨市民音楽祭」(8月29~31日)の最終日に智内さんが開くコンサートで演奏される。演奏は音源化され、公共施設や小中学校での放送も予定する。

昨年作った楽譜を手に、ワークショップへの意気込みを語る片岡さん=蕨市で

 この事業は、音楽祭の企画の一つとして昨年始まり、今回が2回目となる。昨年、「楽しい時間」と題した曲を作った片岡真優(まゆ)さん(9)=小4=は「『オクターブ上げた方がいい』などのアドバイスで曲が良くなり、みんなにコンサートで聞いてもらえてうれしかった」と振り返る。今年も参加するといい、「元気が出るような曲を作りたい」と意気込む。

 両日とも、小学生低学年コースは午後1時半~3時、同高学年~中学生コースは午後3時半~5時。各コース先着40人、参加費1500円。問い合わせは、市生涯学習スポーツ課=電048(433)7729=で受け付けている。

元記事:東京新聞デジタル 2025年5月23日

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