制服買ったら、親に感謝を贈ろうよ 子どもに絵はがき渡す洋品店 卒業シーズンの風物詩に

出版予定の絵本に使う絵を手にする赤沢圭子さん(左)と、金子由美彦さん=いずれも桐生市本町で
小6、中3に声掛け 店内で書いてもらうことも
絵はがきを配布しているのは、さくらや社長の金子由美彦さん(63)。進学を控えた小学6年生や中学3年生が来店するたび、声を掛けてきた。「ほっと和むようなことができないかと考えた。手書きで父ちゃんや母ちゃんに『これまでありがとう』って書いたらどうかってね」と話す。
子どもたちにペンを手渡して店内で書いてもらうこともある。「8割は恥ずかしがって書かないけれどね。でも家で書いてくれていると思います」と笑う。
中学の制服購入のために来店した桐生市の西小学校6年吉田千尋さん(12)は母信子さん(44)宛てに感謝のメッセージをしたためた。2年生からバスケットボールを続けている千尋さんは「お母さんはいつも忙しいのに応援してくれる」と話す。絵はがきは3月、小学校最後の試合で渡すつもりだ。

赤沢圭子さんの絵はがきにメッセージを書く児童
地元・桐生のイラストレーターを推してます
金子さんが配っている絵はがきは風景やイラストなどさまざまだが、推しているのは20年ほど前から交流のある赤沢さんの絵。地元のイラストレーターを応援しようとの思いからだ。
桐生市出身の赤沢さんは20年前から本格的にイラストを学び始め、近年は灰谷健次郎さんの童話の挿絵などを担当。温かみのある水彩画を得意にしている。昨年には、イラストの全国コンクールで最高賞になったのを機に、スイカの苗に付いていたラベルが活躍する物語「すいかばたけのラベル」が、念願だった絵本として出版される見込みになった。
赤沢さんは「絵はがきで、大勢の人に知ってもらえてありがたい」と喜ぶ。
金子さんは「夢がかなって応援のしがいがあった。本を世に出せることは、桐生のまちの財産。全国に発信してもらえれば」と話している。
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