川崎の「蝶博士」コンビ、百科図鑑をWeb公開 撮りためた85種「自由研究に活用して」
熱い思いが伝わる、日々の観察記録
「苦節20年、やっと撮れたウラゴマダラシジミ!夢見心地でシャッターを切りました」「まさかハイムでこの蝶に出会えるとは思っていませんでした、サトキマダラヒカゲです」
蝶図鑑には日々の観察記録が投稿されており、身近にある自然の豊かさや季節感とともに、「チョウの魅力を知って」という熱意がびんびん伝わってくる。
国内で見られる種の3分の1を掲載
手掛けたのは、JR中野島駅近くの大規模マンション、新多摩川ハイムに住む松村隆太郎さん(67)と宮川直遠(なおとお)さん(68)。チョウを追う相棒として、生田緑地を「庭」、多摩川土手を「裏庭」に見立てて、ハイム近隣で見られるチョウを2人で記録してきた。
「中学時代、友人宅で見たチョウの標本の美しさに衝撃を受けたんです。たいがい、高校や大学で“卒業”するんだけども…」と松村さん。昆虫少年だった宮川さんは「はねを開くと、逆さの『八』の字が見えるサカハチチョウとか、どれも特徴があって面白いんだ」と語る。
蝶図鑑は、ハイム住民向け情報共有サイト「ハイムのひろば」の姉妹サイトとして、5月に開設された。掲載しているのは85種で、国内で見られる種類のおよそ3分の1に当たるという。ほかに、チョウとガの違いといった豆知識や、博士が質問に答えるコーナーもある。
ピンボケもある手作り感が魅力
制作に携わったウェブデザイナー西敏(にしとし)さんは「蝶博士の2人がすべて撮影し、記録した手作り感が最大の特徴」と説明。「ピンボケなどの場合もある。けれども、2人はあきらめずに何度も撮り直し、そのたびに差し替えている」とも。
ハイムは入居開始から30年余が経過し、約780世帯、2000人超の住民は、60~70代を中心に高齢化しているという。
ハイムのひろばを運営する山根昭郎(あきお)さん(67)は、若い世代に発信する新たなツールとして蝶図鑑に着目し、「世代間の縦のつながりを育む取り組みにつなげたい」と話している。
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