不登校の学習支援にオンライン コロナ休校を機に取り組み始めた自治体も 多様な選択肢で学びを保障しよう
「楽しかった」「同級生の顔見られた」
「オンライン授業、楽しかった」「久しぶりに同級生の顔を見たよ」。学校再開から1カ月余り過ぎた7月。普段から多くの不登校の子と接する青森市教育研修センターの臨床心理士、太田詔子さん(37)は、うれしそうに話す中学生の姿に目を見張った。多くが1年以上、学校に行っていない子どもたちだ。
青森市は、今春の休校期間中、教師がウェブカメラに向かって授業をするオンライン授業をスタートさせた。自宅にインターネット環境がない子どもが1割弱いたが、3密を避けて登校してもらうなど工夫。4月下旬には市立の小中学校全62校で実現した。
周囲の目を気にせず、授業受けられる
5月下旬、現場から青森市教育委員会に「不登校の子が参加できている」と報告があった。時間などはまちまちだが、2月末時点で220人いた不登校の小中学生のうち、75%に上る164人が参加していると分かった。昨年度、同市の小学生に占める不登校の割合は0.77%、中学生は2.99%。成田一二三教育長は「20年以上対策に取り組んできたが、不登校率はほとんど変わらなかった」と言い、驚いたという。
太田さんは、話を聞き取った中学生の声から「普段の教室と違い、周囲の目を気にせずに済むのが良かったのでは」と推測する。不登校の子が参加するかは未知数だったが、学校によっては、画面に顔を映してもいいか、指名されて発表はできるかなど事前に把握したことも下地になった。
太田さんは「学校に行かないと勉強できない。どの子も学習の遅れを気にしている」と指摘する。青森市は今も、不登校の子が望めば自宅で授業の様子を見られる態勢を維持。スクールカウンセラーとの面談もオンラインを取り入れた。
オンライン授業参加者の7割が通学始める
オンライン授業が登校に結びついた例は多い。10月末時点で参加した子の7割が保健室や別室への登校なども含めて通学している。一方で、成田教育長は「オンラインでも参加できない子はいる。その子に応じて、どんな方法がいいか模索している」と話す。
小中学校のオンライン授業は導入が進んでいないのが実情だ。文部科学省が6月下旬に各教委に聞いたところ、休校中に同時双方向型のオンライン指導を行った小学校は8%、中学校は10%。見送った名古屋市教委は「学校と家庭を結ぶネット環境が整っていない」と話す。
「ライブ配信つらい子には録画活用も」
ただ、国は「GIGAスクール構想」を掲げ、本年度中に99.6%の自治体で全小中学生にタブレット端末が行き渡る見込みだ。加えて文科相の諮問機関・中央教育審議会は10月、「令和の日本型学校教育」に関する中間まとめで、不登校の子への遠隔・オンラインを使った学習支援に触れた。こうした流れを受け、長野市の一部の小中学校では既に不登校の子に向け授業を配信している。
学校教育の情報化に詳しい鳴門教育大大学院の藤村裕一准教授(62)は「学校は『みんな一緒』を目指すので、ネット環境がない子がいるなどすると遠隔授業が進まない」と指摘。ただ、「学校で何をしているか分かるだけで安心感は違う」と話す。ライブ配信を見るのもつらい子には授業の録画などを活用してもいい。「いろいろな選択肢を用意し、子どもの『学び』を保障して」と訴える。
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発達障害があり、支援級に通っている長男は現在五年生。二年生の六月に通学班の上級生から「バカのクラスに入ってる子だー」などの暴言と泥を投げつけられる、お茶を吹きかけられるなどのイジメを受け恐怖心から不登校になりました。心配性の次男は兄がイジメられている姿を見ていたことから、自分もイジメられると思い込み、入学式から登校出来ずに不登校です。
学校側は(長男に発達障害がある事で)「こういう子はトラブルを起こしやすいし、いじめられやすいんです」と言い、イジメの事実も認めてくれませんでした。
そのように言われてしまえば、親の私は学校に頼ることも何もどうすることも出来ず、ただただ時間だけが過ぎて、長男は五年生になってしまいました。その間、学校からの学習支援などは一度もありません。年に一回二回、玄関先で教科書を受け取るだけです。家庭に金銭的な余裕があれば塾に行かせたり家庭教師をつけてあげる事も出来ますが、うちには金銭的なゆとりがありません。どうにかうちの子にあった方法で教育を受けさせてあげたいです。
今回の記事を読んで、本当に羨ましい気持ちになりました。不登校児童への学びの保障が私たちの住む街でも進んで欲しいです。
住んでいる場所によって差があるのは不公平です。(経済的な問題で民間のフリースクールに通えないのも不公平です)
二人の兄弟も、イジメられることのない家庭でなら、Liveで学校の授業を受けたいです。
二人も勉強したい気持ちでいます。