新入生の制服、多摩地域の100人に届かず 「見通しが甘かった」ムサシノ商店社長が陳謝

花井勝規、佐々木香理 (2022年4月8日付 東京新聞朝刊)

謝罪する「ムサシノ商店」の田中秀篤社長=7日午前、東京都武蔵野市で

 東京都多摩地域の高校や中学で入学式間際になっても新入生の制服が届かないトラブルが相次いだ問題で、制服を受注した「ムサシノ商店」の田中秀篤社長(49)が7日、東京都武蔵野市の同社で記者会見した。受注した300校分の制服約3万着のうち、7日時点で手元に届けられなかったのは約100人分に上ると明かし、該当者からは代金をもらわない方針を示した。

メーカーの納期遅れ「検品、出荷が短期に集中」

 田中社長は会見で「ご心配ご迷惑をおかけし、申し訳なかった。(未着の方には)一刻も早く届けて信頼回復に努めたい」と陳謝した。発注先の制服メーカー10社のほとんどが例年に比べて3日ほど納期が遅れたことや、物流倉庫での滞留発生などで「入荷から出荷まで全体で1週間ほどの遅れが出た」と説明。一部メーカーでは新型コロナの感染者が出て工場の操業が滞ったという。

 ムサシノ商店では、メーカーからの納品後、自社で裾直しやネームの刺しゅうをしてから仕分けて検品し、出荷している。田中社長は「例年は3月下旬から4月上旬にかけてのヤマが、短い期間に集中したのが原因」とし、約100人分の未着が発生したことに「間に合うと思ったが認識が甘かった」と話した。

 東京都教育委員会によると、ムサシノ商店と契約している都立高と特別支援学校の計68校のほか、多摩地域の公立中学校の大半が7日に入学式を行った。都教委は6日、都立高などで制服が届かなかった場合、中学の制服や私服での参加を認めるよう各校に指示していた。

東大和市でも170人分が未着 メーカーの受注処理漏れで

 東京都多摩地域の東大和市立第三中学校で、今年の新入生から新デザインの制服を導入したが製造が間に合わず、新入生約170人全員が7日、従来のデザインの制服や私服で入学式に臨んでいたことが分かった。

 学生服メーカー「トンボ」(岡山市)の受注処理漏れが原因で、同社は各家庭に連絡した上で旧型のスラックス、スカートなどを代用品として手配した。6日に自社サイトで謝罪し、経緯を報告。「制服アパレルとしてあってはならないこと。今後、受注・納品体制を見直す」としている。同社はムサシノ商店とも取引があるが、今回のケースは、同商店を巡る一連の混乱とは別とみられる。

 入学式に出席した保護者によると、式後に同社の関係者が保護者らに謝罪し、今後の対応などを説明。保護者からは責任を追及する声も上がったという。

 市教育委員会によると、同社は従来のデザインの制服を人数分用意しようとしたが、約20人分が間に合わず、一部の新入生は私服などで参加した。従来のデザインの制服を着用した新入生の保護者は「昨日まで届かないだろうとあきらめていた。間に合わなかった子もいて気の毒だ」と話した。新デザインの制服は1学期末に到着する見通し。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2022年4月8日

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