夏休み明け、しんどい子どものための「駆け込み寺」 居場所情報をまとめた特設サイトをNPOなどが開設

志村彰太 (2024年8月17日付 東京新聞朝刊)
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19日に開設した「とまり木オンライン」の画面

 夏休み明け、学校に行くのがしんどいと感じる子どもたちに向けて、NPO法人「多様な学びプロジェクト」(川崎市高津区)と、フリースクール関係者らでつくる実行委は19日、学校や家庭以外の居場所の情報をまとめた特設サイト「#学校ムリでもここあるよ」を開設した。友人関係や進路などに悩み、生きづらさを感じている子どもに「駆け込み寺」として使ってほしいという。

全国約80施設が登録

 この取り組みは2019年から毎年続けており、6回目の今年は全国の約80施設が事前登録している。フリースクールやカフェ、子ども食堂、塾、遊び場などの施設別と、居場所の開放、食事の提供、相談といった目的別で検索できる。どの施設も、スタッフらが虐待などから子どもを守る専門の研修を受けており、子どもたちが安心して利用できるよう努めている。

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「#学校ムリでもここあるよ」で、昨年開放された居場所の一つ(多様な学びプロジェクト提供)

 文部科学省や県教育委員会の調査によると、22年度に不登校の小学生から高校生は36万人(前年度比6万4000人増)だった。自殺者数は411人(同43人増)で「極めて憂慮すべき状況」とする。県内でも不登校は2万5516人(同4675人増)、自殺者数34人(同9人増)と増加傾向にある。

 県教委は「不登校は問題行動ではない」との見解を示し、フリースクールなどと連携して子どもの居場所づくりを進めることが課題となっている。

 多様な学びプロジェクトの生駒知里・代表理事は「自分のことを駄目だと思っている子もいるかもしれないが、そんなことはない。気持ちを受け止めてくれる場所があるので、自分にとって生きやすい場所を探してほしい」と話す。

 多様な学びプロジェクトは、支援者や保護者向けに20年から交流サイト(SNS)のグループで随時開催していた交流会や勉強会を発展させ、専用サイト「とまり木オンライン」を今月オープン。月額1980円の会員制。支援団体の運営ノウハウや、子どもが不登校になった際の体験談など、これまでに開催した100講座を受けられるほか、月1~2回、イベントや交流会、勉強会も開く。

 居場所情報のサイト開設は9月9日まで。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2024年8月17日

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