<わたしの糧ことば・特別編>1人の母・「営業部女子課の会」代表理事 太田彩子さん
(2018年3月7日付 東京新聞朝刊)
自由にさせなさい。なんとかなるから
中学から高校にかけて息子が反抗期のころ、相談した知人に掛けてもらった言葉です。当時は「勉強しなさい」「大声は出さない」などと怒り、親としての「あるべき論」で接してました。息子の成長の課題だと言われ、ほっておくことにしたら、しばらくしてピタッと穏やかになったんです。
親はつい、子どもに「こうなってほしい」と無意識に求めがち。否定せず、正論ばかりを言うのをやめたら、息子も認めてもらえたと思ってくれたようです。
私は早稲田大学3年の時に学生結婚し、その後、ひとり親として持病がある息子を育ててきました。稼がなきゃと思って働けば働くほど、息子の学校行事や持ち物を忘れたりして責められる。キャリアに対する焦りや不安、さまざまなジレンマがありました。今、息子は大学生になり、人づてに、私に感謝していると聞いた時はじーんときましたね。
おおた・あやこ
神奈川県出身。リクルートを経て起業。主に女性営業職の人材育成を行う。2009年「営業部女子課の会」設立。内閣府子ども・子育て会議委員。
糧ことば
人生の先輩などから言われて救われた子育てに関する言葉。共有することで、独りぼっちで悩みがちなママたちの心を少しでも軽くしたい-との願いを込め、広告会社・博報堂の「リーママプロジェクト」のメンバーが名付けた。東京新聞では2016年9月から2年間、読者から寄せられた「わたしの糧ことば」を連載。著名人による特別編も5回掲載した。
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