〈ペアレント・トレーニング〉9・朝の支度でつまずく子→見直すポイントは2つ!
悩み「朝の支度でつまずく5歳。何かよい方法はありませんか?」
5歳の息子に朝の支度を自分でしてほしくて、一連の行動を表にして出来を記録したのですが、ほぼできていないものも。何かよい方法はありますか?
解決のヒント「難易度や順番を工夫してみましょう」
<小児科医・長瀬美香さんから>
ほぼできていない、というのは、お子さんにとって自ら行動するには、まだ少し難しい内容なのかもしれませんね。どうしたらスムーズに支度が進むようになるか、子どもの現状に合わせて一緒に考えてみましょう。
前回は、朝晩の忙しい時間帯を選んで、子どもにしてほしい6つの行動をピックアップして記録表を作り、子どもに内緒で2週間、それぞれの行動ができた時に丸印をつけてきました。今回は、できていない行動を中心に見直し、表の項目を修正していきましょう。
手順①:「できている度」を◎○△でレベル分け
まず、6つの行動の達成状況(行動記録表につけた丸印の数)に応じて、以下の3つにレベル分けし、記号を記入します。
○…時々できた行動(週に2、3回)
△…まれにしかできなかった行動(週に1回以下)
手順②:「◎○△」の数と順番を調整
子どもが一連の行動に取り組みやすくするためのポイントは2つあります。
1つ目は、6つの行動のうち、◎が3つ、○が2つ、△が1つになると予想できる内容にすること。それ以上に◎や○が多くなってもOKです。○や△が多い場合は、今のその子にとっては難しい内容なのかもしれません。他の行動に変えたり、選んだ行動のハードルを下げたりするとよいでしょう。「声かけありで□□をする」「親と一緒に××する」など、必要な手助けも表に記入します。前回作った記録表の7割以上が「できた」の丸印で埋まるようイメージして、修正していきます。
2つ目は、6つの行動が◎で始まり◎で終わるようにすること。最初の行動のハードルを下げることで、続く行動にも取り組みやすくなります。気持ちよく終われると、翌日につながります。親の側もほめやすくなります。これもとても大事です。
「子どもの行動記録表」のPDFファイルを、こちらからダウンロードできます。
完成した表を正式な行動記録表とします。この表をもとに、さらに2週間、前回と同様に子どもには内緒で、できた項目に丸をつけながら子をほめましょう。次回は、いよいよ子どもと一緒に記録表に挑戦します。取り組む際のポイントもお伝えします。
担当記者がやってみると…
朝の登園前の忙しい時間を選び、2週間観察しました。結果は、以下の通りでした。
どうやら、最初の3つは子どもにとってはハードルが高かったようです。いずれも声をかければ、時間はかかりますが、できている行動です。最終的な目標は自分から行動することですが、まだまだ道のりの半ば。まずは、簡単なステップに直すことが必要だと気づきました。一人ではできなかった行動の内容を以下のように変更することにしました。
自分から食卓につく:△ → 呼ばれたら5分以内に食卓につく:◎
歯を磨く:△ → 声かけですぐ歯を磨く:○
これで「◎△○◎○◎」の流れが完成です。
※「笑顔が増える ペアレント・トレーニング」は毎月第1金曜に掲載します。次回の掲載は7月5日です。
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