平塚市のインクルーシブ公園「みんなの広場」 障害のある子も遊べる遊具8種 でも…遊べない子がいるのはなぜ?
立ったまま遊べる「テーブル砂場」
連休初日の4月29日は平塚市外からも多くの人が訪れた。遊具周りはゴムチップ舗装され、長女(1つ)を連れていた相模原市の会社員府川寛樹さん(30)は「ベビーカーでも回りやすく、気遣いを感じる。こんな公園が広まってほしい」と期待した。
5、2、1歳の3児と横浜市から来た田中美穂さん(32)は「テーブル砂場は3歳児が立ったまま遊べ、ブランコは赤ちゃんも乗せられる。いろんな年齢の子が利用できるところがいい」と喜んでいた。
遊具4種で2021年に改装した藤沢市の秋葉台公園内の広場に続き、神奈川県内2例目のインクルーシブ公園。障害児と健常児が幼いころから自然に接し合えるよう、平塚市制施行90周年記念事業として2億円で整備した。回転遊具を車いすからも乗りやすい外向きにするなど、障害児家族らの意見を取り入れた。
行列のいっぽう、胸が痛む光景も
使い始めると課題も浮かぶ。次男(8つ)と来ていた平塚市の会社員中川昌史さん(49)は、2方向から出入りできる回転遊具に「両方から子どもが入り、大きい子は回転中でも割り込む。静止しないと乗れない小さい子はずっと待っている」と指摘。「1方向の流れにし、遊び方を分かりやすいイラストで例示すれば、大人も子どももルール違反を注意しやすい」と話す。
胸が痛む光景もあった。車いすの少年(8つ)は園路でずっと、携帯用ゲーム機を操っていた。母親は「障害者目線の遊具はうれしいけど、休日の行列に車いすで並ぶのは気が引け、結局ゲームをしている。案内の人がいると心強いのだけど」。
快適に見える芝生も「深くて…」
少年に「困ることはない?」と聞くと、ゲームをしながら「芝生が深くて移動しにくい」と語ってくれた。滑らかな路面、快適な芝生に見えても、1センチの段差で動けないという。まだまだ気付けずにいる不便さはあるようだ。
肢体不自由児、視覚や聴覚、知的・発達障害の子どもにも対応した広場は平塚市が掲げる「共生のまち」への第一歩。だが、県内最大といっても障害の多様性に比べれば、遊具のレパートリーは8種しかない。ソフト面を含め、子どもたちと共に成長していく広場であり続けてほしい。
メモ
広大な平塚市総合公園の一角にみんなの広場がある。活動的な子ども向けの遊具があるわんぱく広場、平塚のはらっぱ、ふれあい動物園に囲まれ、開放感にあふれる。小児科を経営する地元の医療法人聖玲塾と年155万円のネーミングライツ(命名権)契約を結び、維持管理費に充てる。
アクセス
住所は平塚市大原1-1。JR平塚駅西口から徒歩30分。バスは平塚駅北口4番のりばから総合公園バス停下車。平67田村車庫行き以外の神奈中バスは全て平塚市総合公園を通る。駐車場収容台数は921台。問い合わせは公園管理事務所=電話0463(35)2233=へ。
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知りたい
回転遊具は、座るところに立ち乗りしてるは、足元が安定せず、回転とともに隣に座ってる子に倒れる。回転で勢いがある中で倒れるので、大怪我の可能性が非常に高い。
反対側が見えないので、回転するタイミングがわからず、立ち乗りは、踏ん張りが効く体勢になる前に回り始め、大変危険である。
ちゃんと座ってる子が、怪我する可能性が非常に高いので、「何かしらの注意」を促す掲示が必要だと考えます。