第4子パパ初育休~口唇裂の子を迎えて(反響編)

竹上順子、山口哲人 (2018年2月21日付 東京新聞朝刊)

 1月に5回にわたって連載した記者の体験記「第4子パパ初育休~口唇裂(こうしんれつ)の子を迎えて」に多数の反響が寄せられた。三男の誕生に合わせ、2カ月間の育児休業を取得した政治部の山口哲人記者(37)に、同じような子を持つ親や育休中の男性、孤独な子育てに悩む女性らから共感や励ましの声が上がった。声の一部と、山口記者の「その後」を報告する。

「涙を流しながら読んだ」「頑張ろうと思った」

 「非常に勇気がある。書いてくれたことをありがたく思う」と電話をくれたのは、同様の経験をした川崎市の女性(77)。唇の上や口の中の上部が裂けた「口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)」の子は約500人に1人の割合で生まれる。だが病気の存在や、度重なる手術が必要なことなどは、あまり知られていない。


〈前回はこちら〉(5)得られたもの


 昨夏、やはり口唇裂のある男児を出産した東京都の女性(28)は「よく似た境遇に驚きました」とメールをくれた。今後も通院や歯列矯正が続くが、連載を読んで「うちも家族で頑張ろうと思いました」。

 また、かつて妊娠中に赤ちゃんの口唇口蓋裂が分かったという埼玉県の中田陽代さん(35)は、自身の経験と重ね「涙を流しながら読みました」。山口記者の前向きな変化に「希望を感じた」と書き、後日談も知りたいと添えた。

 「親の心情を知ることができた」というのは、連載にも登場した、幼いころ自身も口唇口蓋裂があったという山口記者の知人男性(43)。男性には、乳幼児期の写真がないという。だが、両親の複雑な感情に思いをはせ「ようやく親に感謝することができた」とつづった。

育休の広がりに期待「上司こそ大変さを知って」

 男性の育休取得の広がりに期待する声も。愛知県瀬戸市の公務員、平塚啓さん(42)は12年ぶり2度目の育休中で、1歳半の三男らの育児と家事を担う。連載に「経験が記事になるのはありがたく、楽しみ」とエールを送った。平塚さんが毎日、インターネット上で書いている日記でも、育休希望者に「職場の人には早く伝えるほど、援軍が出てくる」などと助言する。

 名古屋市の30代の女性も現在、育休中。だが子育ては「想像をはるかに超えて大変」として、国などの支援も必要だが「上司になる人たちには、子育ての大変さを知っていてほしい」と訴えた。

山口記者から 「三男は…周囲に支えられ、順調に成長しています」

写真は生後7カ月を過ぎ表情も豊かになった三男を肩車する筆者=東京都内の自宅で

生後7カ月を過ぎ表情も豊かになった三男を肩車する筆者=東京都内の自宅で

 連載を書いたのは、これから口唇口蓋裂の子を迎えるママやパパに「治るから絶望しないで」と伝えたかったから。掲載後、「家族が口唇口蓋裂だったが、立派に大人になった」とのお便りをたくさんいただき、逆に勇気付けられた。

 三男は順調に成長中。小学校入学時ごろ、口と鼻の形を整える2度目の手術を受ける予定だったが、2歳に早まりそうだ。生後7カ月を迎えてつかまり立ちを覚え、私のことも認識している。だが、誕生直後から寄り添ってきたのに、育休が明けると抱っこしただけで大泣きされるようになった。昨年9月中旬に政治部に職場復帰し、直後の衆院選と野党再編の取材で忙しく、ふれあう時間が減ったのだから仕方ないが…。

育休で意識が変わった 夫婦の会話も増えました

 仕事のやり方が育休前後で変わったかといえば、そうでもない。ただ、意識は変わった。平日の家庭への貢献度の低さは週末に挽回する気概を持つようになった。お便りの中に「手伝えなくても奥さんの話し相手になるだけで十分ですよ」とのアドバイスがあった。妻(37)に「育休前後で何か変わった?」と聞くと「夫婦で会話が増えたね」。

 連載を終え、記事を目にした先輩から「4人もいて大変だろう」とお米が贈られてきた。PTAなどの仲間も、今まで以上にわが家の子どもたちに目を掛けてくれる。周囲の温かさに支えられながら、家族で成長していきます。

5

なるほど!

24

グッときた

4

もやもや...

10

もっと
知りたい

すくすくボイス

  • ひまわり says:

    凄くよい記事ですね!自分の人生を見直してしまいました。いい家庭をつくってください。男の方の「育休」、世間にもっと浸透するといいですね。

    私の次男は、心疾患、口唇口蓋裂、その他の合併症をもつダウン症の子です。生後8日目には、十二指腸狭窄の手術をする、というバタバタした子育てスタートでした。口唇裂はたいへんですが、いまの医療は素晴らしいので、平穏な日々が、数年したらやってくると思いますよ! 

    私の場合は、知的障害の子ども(しかも合併症をもっている)を育てる、というのを、想像すらしていなかったので、人生、激変しました。フリーランスライターをしていたのですが、いつか、また、復帰! と思っていましたが、上手くはいかないものですね。

    その次男は、いま、17歳。特別支援学校に通っています。何歳になっても可愛いです。我が家の笑顔のみなもとです。 

    長男はごく普通に健康に産まれたので、次男を育てるときに、長男に対する愛情みたいなものが不足しないように、かなり気を配ろうとしました。が、余裕はあまりなく、でも、まわりが助けてくれました。いまは、元気に大学生活(コロナ禍の)を送っています。

    今おもうと、夫に育休をとってほしかったです。当時は選択肢として、思い浮かばなかったです。夫は協力はしてくれましたが、やはり、自分がかなり背負っていた感があります。

    この17年間の我が家のこと、いろいろ思い出しました。東日本大震災があって、東北から義母が我が家にやってきてからはそちらの介護も背負ってダブルパンチのこと、あったなあ、保健所で泣いたよなあ、とか。心療内科のお世話にもなりました。 

    でも、いま、一家揃って、笑顔で暮らせています。幸せだなあ、って、思います。人生、思っていたように進まなくても、なるようになって、それが、味付けになって、、、、。いらない味付けだったかもしれないけれど。

    うまく言えませんが、いま、家族4人で笑って暮らせていてよかったです。

    ひまわり 女性 50代
  • ゆー says:

    コメントにあったが育休中の仕事を肩代わりする方も大変と…

    命を育むことと仕事を同等に考えるあなたは大丈夫ですか?きっと疲れてると思います。育休が中々使われないのはそう言った言葉があるからです。心を自分で狭くするのは簡単ですが、心を穏やかにし、大変なら何がどう大変なのが上司に話してみましょう。現に私は部下から話されました。協力的な上司ではないなら別の上司へ。仕事と育児は同等ではありませんよ。自分の浅はかな言葉は他人を傷つけますし、自分が恥ずかしいだけですよ。

    ゆー 女性 30代
  • ゆき says:

    赤ちゃんを育てることの大変さもわかりますが、育休中の仕事を代わりにすることになる人がいることも忘れないで欲しい。こちらも本当に大変です。

    ゆき 女性 30代
  • 匿名 says:

    3人目をもうすぐ出産予定です。里帰り中3Dエコーで診てもらい、赤ちゃんの外見からわかる病気などの説明もしてもらいました。幸い問題はありませんでしたが、記念写真くらいの印象しかなかった3Dエコー、医療技術の発達は素晴らしいですね。
    今後の治療も進歩してお子さんやご両親のご負担が軽くなることを祈っています。
    また、我が家は全く夫が育児、家事手伝いは出来ずきたいしないことで乗りきってきているので、育休取ってくれる旦那様は羨ましいです‼️

      
  • 匿名 says:

    ご自身の失敗やご家族での奮闘ぶりが伝わり、こうして全国で男性育休や父親の子育てが広がっていくのかな、と思えました。
    一方で、長女さんの性格の長所なのでしょうが、気遣いができ下の子のお世話をしているお姉ちゃんと、それぞれの才能を伸ばして成長している男の子二人、といった描写と着眼点に残念な思いが残りました。
    これでは、小さなお母さんの再生産ではないですか。

      

この記事の感想をお聞かせください

0/1000文字まで

編集チームがチェックの上で公開します。内容によっては非公開としたり、一部を削除したり、明らかな誤字等を修正させていただくことがあります。
投稿内容は、東京すくすくや東京新聞など、中日新聞社の運営・発行する媒体で掲載させていただく場合があります。

あなたへのおすすめ

PageTopへ