朝食を保育園に任せていい? 「後ろめたい」「親の役割は」「保育士には負担」の声を受け取材 現場で見えた風景は

保育士に見守られ、保育園で朝食を食べる園児たち=東京都世田谷区の都認証保育所「ポポラー三軒茶屋園」で(平野皓士朗撮影)
「忙しい」だけではないニーズ
「保育園での朝食サービス」と聞いて、同僚たちから複雑な声が上がりました。「朝ごはんまで園に任せるのは後ろめたい。ただでさえ一緒にいられる時間が少ないのに…」「園で食べさせてくれたら楽だけど、そこまでいくと親の役割は?」「保育士の負担がさらに増えるのでは」
割り切れない思いを抱え、取材に入りました。現場で見えてきたのは、「忙しい」だけではない多岐にわたる家庭のニーズと、それを把握して寄り添おうとする園の姿でした。
ミルクが卒業できず、幼児食が進まない。離婚したばかりで、転居に伴い職場も遠くなった。転園したてだが、食べることが大好きなので朝ごはんをきっかけに喜んで登園してくれるようになれば-。取材した園の園長は「利用家庭がどのような課題を抱え、どんな目的で利用したいと考えているかをつかむようにしている」といいます。家庭の状況を見守り、場合によっては朝食利用解除の提案も検討するそうです。
サービスを生きた制度にするのは
運営する園側のきめこまかな運用が、この朝食サービスを生きた制度にしていると感じました。読者からも記事に対し「どうしてもミルクを離せなかった子が幼児食へ進むことができた良い援助事例ですね。保育士にも無理のないように考えているのですね」と投稿がありました。
一方で、「子どもが小さい間は時短(短時間勤務をして)、15歳以上になってから思い切り働ける社会を望みます」という意見も。ただ、今日明日を生きる親子で、この制度に救われる人は確実にいます。「頑張りすぎてワークライフバランスが崩れることだってある。子どもに当たったり、子どもの話が聞けなかったりするくらいなら、園に任せて15分でも子どもを抱き締めてあげてほしい」。サービスを設計した運営者の言葉です。
【朝食サービスについて取材した記事はこちら】
「保育園で朝食が食べられる! ニーズと課題、親子の愛着形成への影響は」
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困っている方もおられるので必要なのだと思います。保育園は栄養バランスも良く行き届いた食事を用意してくださるので、家で朝食を食べる場合は簡単なもので良いと伝えてあげてほしいです。がんばっている保護者さんに、家庭の食事や保育よりプロの方が良いかもと思われるのは残念なので。