埼玉県で通学路の改善要望が1.7倍に 千葉の小学生5人死傷事故の影響か
飯田樹与 (2021年11月18日付 東京新聞朝刊)
埼玉県内の学校や幼稚園などが5~7月に行った通学路の安全総点検で、歩道の拡幅など改善要望があった箇所が9087カ所だったことが、県のまとめで分かった。前回2016年の総点検時の1.7倍に上る。今年6月に千葉県八街市で下校中の小学生5人が飲酒運転のトラックにはねられて死傷した事故を受け、通学路に対する安全意識が高まったとみられ、県などは対策を講じる。
ガードレール、段差…教職員らが確認
総点検の実施対象は、さいたま市を除く市町村の小中高校、特別支援学校、認可保育所、幼稚園、幼保連携型認定こども園。教職員や保護者が学校指定の全ての通学路や園児の散歩コース、児童らが利用する駅やバス停から学校までの道路などを歩き、危険箇所がないかを確認した。実施率は73%(2080校)で前回の54%を大きく上回った。
改善要望があった9087カ所(前回5432カ所)では、子どもが歩く部分と車道との分離やガードレールの設置、樹木の剪定(せんてい)、段差の解消などが挙がった。
9087カ所中、5995カ所が対策必要
このうち5995カ所(前回3367カ所)は対策が必要と判断された。埼玉県が2022年度から5カ年の「第5期県通学路整備計画」に盛り込み、2026年度までにそれぞれ道路管理者の国や県、市町村が安全対策を講じる。特に危険な箇所やすぐに対策できるものから対応し、既に着手しているケースもあるという。一方、新たな計画には現在の第4期計画で完了していない対策箇所も含まれる。県道路環境課によると、県管理道路では43カ所あり、歩道や交差点の整備などで用地買収が必要な案件という。
通学路の安全総点検は2002年度以降、おおむね5年ごとに実施している。今回は八街市の事故を受け、予定を1カ月前倒しして第5期計画を策定した。
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