週1回2時間だけ? こども誰でも通園制度に疑問「短すぎ」「泣いて終わり」 - 東京すくすく | 子どもとの日々を支える ― 東京新聞

週1回2時間だけ? こども誰でも通園制度に疑問「短すぎ」「泣いて終わり」

(2023年12月1日付 東京新聞朝刊)
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「こども誰でも通園制度」のモデル事業を利用して子どもを預ける女性(左)=東京都内で

孤育てから「リフレッシュできた」

 働いていなくても保育施設に子どもを預けられる「こども誰でも通園制度(仮称)」。モデル事業を利用して生後5カ月の長女を預ける女性(38)は、「預ける前は子どもをかわいく思えない時があった」と孤独だった子育てを振り返りました。

 遠方の両親に頼れず、平日は自宅で2人きり。「なんで泣くのか分からず、すごく不安でした」。集合住宅で泣き声が気になり、昼間は散歩に連れ出し、夜中も長女が動いたと感じたら起きてミルクをつくって泣かれないようにと見守る日々。午後8時に仕事を終える夫に「1秒でも早く帰ってきてほしかった」と話します。週2日、朝から夕方まで預けることで「ボロボロでしたが、家事やリフレッシュもできて元の自分に戻っている気がします」と笑顔を見せてくれました。

モデル事業の次の段階で、条件が…

 ただ、本格実施前の次のステップとして、こども家庭庁が年度内にも開始を目指す試行的事業では、「生後6カ月~2歳」「月10時間を上限とする」などの条件が付くことになりそうです。SNS上では、「短すぎる」「泣いて終わり」と訴える声が上がっています。

 それでもモデル事業で国と同様の条件にしている東京都八王子市では、保護者から「自分で靴が履けるようになった」「人見知りが減った」と成長を喜ぶ声があるそうです。ただ、0~1歳は親が付き添う形をとっています。担当者は「本当はもう少し長く預かれると、保護者のリフレッシュになるのでは」と話します。

市長会が緊急提言「利用者目線で」

 一方、全国の政令市でつくる指定都市市長会は11月28日、「上限を設けず地域の実情に応じて柔軟な制度を」とこども家庭庁に緊急提言しました。副会長の高島宗一郎・福岡市長は「週に1回2時間の利用では、家に帰って掃除や洗濯すらままならない」と批判し、予算措置を求めました。福岡市で行うモデル事業では、122人が利用し、270人近くがキャンセル待ちだそうで「利用者を拡大したい中、この制度では逆行する。利用者目線で考えてほしい」と指摘しました。

 ほかにも保育士らの処遇改善、要支援家庭への対応など重要な課題が山積みで、こども家庭庁は試行的事業に取り組む中で検証するとしています。果たして預かる側の不安を払拭し、親子が安心して通える制度になるのか。政府は子どものために予算をかける覚悟があるのか、引き続きお伝えしていきます。 

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  • 保育士 says:

    保育園の人員配置が改善されたのはいいけど、現場に丸投げ感満載です。加えて、誰でも通園制度試行。現場のこどもの保育で手いっぱい、手が足りない中、誰でも通園制度のお子さんは、誰が見るんですか?孤育のお母さんを助けたい、虐待防止のために、子育て支援もわかります。でも実際は、現場は手が足りてないのです。

    クラスの保育、書類、園のHPの作成、保育準備や新人の育成、自身のスキルアップ、行事の準備、保護者対応。子供には、年齢が小さいほど、生活の手助けが必要です。その上、一人一人持ち物の管理、間違いのないようにお返しすること。保護者との信頼関係を結ぶこと。

    でも、保育士も家庭がある一人。自分の体調不良は元より、自分の子ども、家族が体調不良になれば、休まなければなりません。感染症が流行する期間は、保育現場が逼迫します。

    極端な話ですが、お役所は、自身の体調不良で休んでも、書類が溜まるだけ。書類は体調不良が治るまでまってもらえると思います。保育園は、保育士が休むのが重なると、現場はますます逼迫します。保育を回すためには、子どもたちに制限がかかります。園庭に行ける日も、安全が確保できないから、最小人数で室内遊びでなど。

    保護者のニーズも昔と変わってきています。こどもの自主性を育てたい保育園側と目で見える成長(~ができる、できた成果)が見たい保護者側。格差が生まれているのも事実です。

    無理やりやらせたらできると思います。。でも私達保育士は、子どもが、やりたい!と思え、自らやってみようとする過程を大切にしたいのです。

    そのためには、保育士がやりがいを感じる職場環境の充実を求めます。

    保育士の人員配置は、進歩といえますが、まだまだ、入り口です。

    国会の皆さん、現場は逼迫したままですよ。施策も口先だけでは、誰もついてきません。未来を支える子どもたちのために、その子どもたちの保護者が安心して子育てできる支援の充実、子どもと保護者を支える保育士が安心して働ける職場環境を整える施策を実行することが専決だと思います。ぜひ、保育園を視察し、現場を見て体験、実感していただきたいです。

    保育士 40代

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