「なんで はをみがくの?」歯磨きの大切さと正しい方法を伝える絵本 歯科医が制作しました
太田理英子 (2021年12月3日付 東京新聞朝刊)
親子で歯磨きの大切さや方法を学んでもらおうと、台東区の歯科医師三枝遵子(さいぐさじゅんこ)さん(52)が絵本「なんで はをみがくの?」を制作した。4~5歳以上が対象だが、大きくなっても適切な歯磨きの仕方を知らずにいる人は少なくないと言い、三枝さんは「大人にこそ読んでもらいたい」と話す。
歯垢は「バイキンのうんち」歯を溶かす
虫歯になる仕組みを分かりやすくするため、歯垢(しこう)を「バイキンのうんち」と表現し、放っておくと歯を溶かしてしまうと説明している。歯肉炎になる子どもが増えているといい、歯と歯茎の間も丁寧に磨くことや、大人による「仕上げ磨き」の大切さを伝える。
虫歯は感染症で新型コロナウイルスと同様、スプーンなどの共有により、唾液を介して虫歯が家庭内でうつることにも注意を促している。
「なぜ必要か」子どもが理解できるよう
10年前から虫歯予防を積極的に啓発してきた。1995年に開業し、診療の中で必要性を感じた。これまでアニメDVDなどにして呼び掛けてきたが、「子どもが自分で手に取って読み、興味が持てるように」と初めて絵本制作に乗り出した。絵はイラストレーターに依頼し、ストーリーは「じゅんじゅん博士」の名で三枝さん自身が考案した。
子どもが歯磨きを嫌がることは珍しくないが「無理やり磨かせるのではなく、なぜ必要なのかを説明して子ども自身に分かってもらうことが大切」と強調する。「口腔(こうくう)内をきれいにすることは病気の予防にもつながる。まずは大人が予防意識を持ち、子どもたちに伝えてもらいたい」と願う。
B5判変形24ページ、1320円。12月10日以降、三枝さんが院長を務める「ヒグチデンタルクリニック」(台東区雷門1)やネット通販Amazonで販売。書店で取り寄せもできる。問い合わせは、出版元の一世出版=電話03(3952)5141=で受け付けている。
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