原爆の悲惨さと命の大切さを語り継ぐ 「柏・麦わらぼうしの会」が8月6日に朗読劇

林容史 (2023年8月3日付 東京新聞朝刊)
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8月の公演に向け朗読の練習に励む会員たち=柏市で

 千葉県柏市の市民団体「柏・麦わらぼうしの会」の朗読劇「この子たちを忘れない2023-1945 ヒロシマ・ナガサキ 原爆の記憶-」(東京新聞千葉支局など後援)が6日、柏市中央公民館講堂で上演される。ロシアによるウクライナ侵攻で戦術核の使用が懸念され、台湾有事に備えて反撃能力が議論されるなど緊張が高まる中、平和を希求する声を届ける。

母親らが95年から挑戦し、24回目

 「原爆の悲惨さ、命の大切さを語り継ぎ、平和への思いを共有したい」と、子どもたちに生の舞台に触れる機会を提供する「柏子ども劇場」の母親たちが1995年、朗読劇「この子たちの夏」に独自に挑戦したのが始まり。今回で24回目となる。2002年に麦わらぼうしの会を設立し、2008年からは毎年、オリジナルの脚本を制作して公演を続けている。

 広島と長崎の原爆体験を記した手記や詩、新聞記事などを集め、構成した。会員19人に応援出演を加え、読み手、演出、照明、音響の各担当に分かれて公演に臨む。5月末に台本が出来上がり、6月から市内で練習に取り組んできた。リハーサルでは、感情移入してしまい、思わず涙声になる読み手もおり、演出担当者から「それじゃ伝わらない」と厳しい注意が飛んでいた。

ひとたび始まれば誰も止められない

 井野口典子代表(67)は「核兵器は絶対に保有してはいけない。一人でも多くの人に被爆の悲惨さを自分のこととしてとらえてほしい」と訴える。演出の正木容子さん(51)は、ロシアのウクライナ侵攻に危機感を募らせ、「ロシアは核を使用するとどう喝している。核を使ったらどうなるか、みんなで考えたい」と呼びかける。児玉典子(ふみこ)副代表(70)も「ひとたび戦争を始めれば、もう誰も止められない。戦争に加担してはだめ」と力を込めた。

 公演は午後2時と同5時の2回。初回の公演に初めて手話通訳を付ける。公演時間は50~55分。資料代大人300円、18歳以下100円。事前予約が必要。入場予約ページから申し込める。

 当日は会場に原爆被害の写真パネルを展示し、平和に関する本を紹介する。

 問い合わせ、申し込みは柏・麦わらぼうしの会事務局=電話070(1446)7592=で受け付けている。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2023年8月3日

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