東京都の月額5000円「018サポート」で生活保護費が減らないように 厚労省が方針転換
渡辺真由子 中村真暁 (2023年10月13日付 東京新聞朝刊)
東京都が18歳以下の子ども1人に月5000円を支給する「018サポート」で、給付金を生活保護世帯の収入とはしない方向で調整していることが、都や厚生労働省などへの取材で分かった。
「収入」認定なら生活保護費が減る
生活保護世帯で給付金を収入として認定すれば、その分生活保護費が減り、結果として世帯収入が変わらない。実質的な支援につながらないとして、収入からの除外を求める声が都議会などで上がり、都が国に対処を求めていた。
東京都によると、国は調整の中で当初「給付金は生活費の支援という位置づけで、収入として認定する」との考えを示していた。子どもの数や世帯収入に応じて支給される国の児童手当も収入として認定されている。
都の要望を受け、厚労省が方針転換
9月15日、東京都は武見敬三厚労相宛てに「厳しい生活環境にある子どもたちに支援が行き届かない」などとして、収入からの除外を求める緊急要望を改めて提出した。厚労省保護課の担当者は「要望を受け、総合的に判断した」と話した。
武見厚労相が11日、小池百合子知事に方針を伝え、都が今後、詳細を詰めて公表する。
【10月16日追記】東京都の小池百合子知事は13日の会見で、生活保護世帯が018サポートを受ける場合について、以下の通り説明しました。
「018サポートで、給付金が生活保護世帯の収入になり、その分、生活保護費が減ってしまう課題がございました。一昨日、収入認定しないと武見敬三厚生労働相から直接お話をいただきました。生活保護世帯も安心して申請いただける。子ども本人に給付し、子ども一人一人の成長を等しく支える趣旨をご理解いただけたと受け止めております」
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