片付けができない4歳娘 散らかった部屋を見てイライラしてしまいます〈宮里暁美の子育て相談〉 - 東京すくすく | 子どもとの日々を支える ― 東京新聞

片付けができない4歳娘 散らかった部屋を見てイライラしてしまいます〈宮里暁美の子育て相談〉

(2024年12月13日付 東京新聞朝刊)

ひとりで悩まない 宮里暁美の子育て相談

片づけが出来ない4歳の娘

 4歳の娘が片付けができません。いつも私がおもちゃや絵本を片付けていますが、いつ自分でできるようになるのでしょうか。散らかった部屋を見て私がイライラし、つい言葉がきつくなってしまうのも嫌です。(30代母、共働き)

イラスト

イラスト・永須華枝

「気楽な片付け大作戦」を

 子育てと片付けは永遠の課題です。4歳の子が日々、きちんと片付けるとしたら、それは奇跡なのです。私も研究室はある程度スッキリ保っていますが、家の中はかなりゴチャゴチャしています。スッキリに憧れつつゴチャゴチャ暮らしている。そんな中で浮かんだ「気楽な片付け大作戦」があります。どうか気楽に読んでください。

 一つ目は、戻る家作戦です。電車のおもちゃには車庫、絵本には絵本箱、作ったものにはそれを飾る場所を用意します。

 二つ目は、トム・ソーヤのペンキ塗り作戦です。いたずらをした罰として長い長い壁のペンキ塗りをすることになったトムが、それを楽しそうにやっていると次第にやりたがる子が集まってきたという話です。

 保育者だった私は、これを採用しました。片付けは楽しく! 嫌なことじゃないよね! だってスッキリするのって、気持ちいいものね! そんな感じでいると、一緒にやりたがる子が出てきます。楽しんで行うというのは、いつも幸せを連れてくるので、大人も一緒に片付けて、いい気分をみなぎらせましょう。

 三つ目、極力「片付け」というフレーズを出さない作戦です。片付けという言葉は、楽しかった時間を閉じてしまう魔力を持っています。子どもたちは「ずっと」が大好きですから、「片付け」と聞くと不機嫌になります。それは素直な反応です。「片付けなさい」ではなく、「ご飯の準備手伝って」「テーブル拭いて」などと、することを提案した方が子どもは動きやすくなります。

 そして最後の作戦、それは「いつか」を信じるという作戦です。三つの作戦を駆使しても、お嬢さんが一向に片付けタイムに意欲を示さなかったとしても、どうぞ悲観しないでください。園では片付けをしているかもしれないし、成長とともに変身するかもしれません。どうぞ「いつか」を信じて心穏やかに暮らしてください。

(文京区立お茶の水女子大学こども園・前園長、お茶の水女子大学特任教授)

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