育休を取った父親の本音 初めて語り合い力が湧いた 羽村市で父子キャンプ体験

(2025年2月7日付 東京新聞朝刊)
写真

父子キャンプのワークショップで、男性育休の取得経験者と思いを語り合う谷岡聖史記者(奥)=東京都羽村市で

たき火を囲んで、共感の連続

 育児休業を取った経験は今につながっている。そんな思いを父親同士で初めて語り合い、確かめることができました。

 1月下旬、東京都羽村市の河川敷で、東京すくすくは父子でキャンプ体験をし「育児休業のその後」を考えるイベントを開催しました。きりっと冷えた空気の中、温かいコーヒーをすすりながら、育休を取った父親たちと一緒にたき火を囲みました。

 進行役の私も、2020年1月に次女が生まれ、思い切って1年間の育休を取得しました。家族だけに向き合える、新鮮で豊かな時間でした。ただ、仕事に復帰した後は家庭との両立で手いっぱいの毎日。過ぎ去った育休のことを落ち着いて振り返る余裕もなく、また男性育休が普及してきたとはいえ、経験者と出会う機会も多くはありませんでした。

 この日参加したのは私を含め6人。初対面で仕事も居住地もバラバラですが、共感の連続でした。ある人は、子どもの小さな変化に気づけるようになったと言います。働き方を根底から見直し人生の転機になった人、後輩パパが育休を取りやすいよう職場で気を配っている人もいました。

 正直なところ、育休を後悔したこともあります。復職はスムーズだったとは言いがたく、キャリアの連続性が断たれた感も否めません。

 でも考えてみれば、多くの共働き家庭では、そんな思いを抱えるのも女性に偏ってきたのです。働く母親の困難を肌身で理解できたのは、記者としても父親としてもやはり有意義だったと思います。

 あの1年間をくれた次女はもうおむつも外れて、今はランドセルを探し始めています。すっかり薄れた育休の記憶が蘇(よみがえ)り、力が湧いた冬の1日でした。

1

なるほど!

3

グッときた

0

もやもや...

3

もっと
知りたい

すくすくボイス

この記事の感想をお聞かせください

/1000文字まで

編集チームがチェックの上で公開します。内容によっては非公開としたり、一部を削除したり、明らかな誤字等を修正させていただくことがあります。
投稿内容は、東京すくすくや東京新聞など、中日新聞社の運営・発行する媒体で掲載させていただく場合があります。

あなたへのおすすめ

PageTopへ