【墨田区】安心できる保育園を【葛飾区】ベビーカーの購入費など助成【新宿区】学校に給水スタンド設置〈首都圏の子ども予算案2025〉
墨田区 安心できる保育園づくりへ定期調査

修学旅行無償化などの施策を発表した墨田区の山本亨区長
墨田区は区立小中学校の修学旅行と移動教室を無償化する。中学3年生の修学旅行にかかる1億552万円、小学6年生の移動教室にかかる6816万円を全額補助し、保護者負担をなくす。宿泊費や施設入場料の高騰などで負担額が近年上がっており、子供を参加させられない家庭があることが背景にある。
山本亨区長は「一生に一度の大切な学校行事。最高の思い出となるよう区が後押しする。卒業前の節目に支援をしていきたい」と強調した。
東武伊勢崎線のとうきょうスカイツリー駅周辺の立体化事業を進める。留置線の高架化や駅舎工事などに取り組み、円滑な交通機能を確保する。立体化事業に52億4252万円を計上した。
昨年、区内の私立保育園で園児への不同意性交容疑などで元保育士が相次いで逮捕された問題を受け、安全安心な保育環境づくりに2億2839万円を盛り込んだ。通報窓口の強化や保育人材の育成、一斉定期点検調査に取り組む。園児の昼寝時間中の体制強化に向け、人材確保の予算も計上し不適切保育を防ぐ。
また、20年ぶりに基本構想・基本計画を策定する。3012万円を盛り込んだ。一般会計は過去最高となった。(鈴木里奈)

墨田区の予算案
葛飾区 ベビーカーや抱っこひもの費用助成

新年度予算について説明する葛飾区の青木克徳区長
葛飾区はベビーカーや抱っこひもの購入やレンタル費用を助成する。3歳未満の子ども1人あたり最大1万5000円。これまでは多胎児がいる世帯が対象だったが、子どもがいる全家庭に広げ、子育て世帯の負担を減らして外出を後押しする。5700万円を計上した。青木克徳区長は「葛飾区に流入する人を増やしたい」と狙いを語った。
昨年9月に発表した中学3年生の修学旅行と小学5年生からの移動教室の無償化、一部副教材の無償化に6億4900万円を盛り込んだ。宿泊費や施設入場費などが高騰する中、義務教育期間にかかる子育て世帯の負担を軽減し、ゆとりを持って子育てできる環境を整える。
生成人工知能(AI)を利用し、区役所の窓口対応をよりスムーズにするシステムを構築する。区の基本計画などを学習した既存の職員向けシステムを活用し、業務関連書籍や窓口マニュアルを学習させる。新システムは職員と来庁者の対話音声を認識し、パソコンなどの端末を通して適切な手続きを案内し職員をサポートする。9月から試行し、区民事務所など職員が少ない場所でも対応できるサービスを増やす狙い。システム構築費770万円を計上した。(鈴木里奈)

葛飾区の予算案
新宿区 水筒に補給できる給水スタンド設置

加熱式たばこの路上喫煙を禁止する方針などを説明する新宿区の吉住健一区長
新宿区は区内全域で禁止している路上喫煙の対象に、加熱式たばこを加える。7月施行を目指し、2月19日開会の区議会定例会に条例改正案を提出する。ポスター掲示といった周知啓発費に57万円を計上した。
区が昨年6月に複数の場所で実施した調査では、路上喫煙者の6割以上が加熱式たばこを使っていた。吉住健一区長は「ポイ捨てされる吸い殻でも、加熱式が増えている」と説明。条例改正で区の方針を明確にし、受動喫煙の防止や環境美化を推進する。
民間業者などが設置する公衆喫煙所には従来の整備費のほか、4月から賃料や電気代などの維持管理費も助成する。例えば屋内型の喫煙所の場合、補助額は月10万円が上限となる。予算額は4550万円。
夏の酷暑が深刻化する中、区立の小中学校と特別支援学校の計40校に、給水スタンド計121台を設置する。子どもたちは持参した水筒などに、水道水が原水の冷たい浄水を補給できる。大きな水筒に飲料水をたっぷり入れて通学する子もいたが、その必要がなくなるという。スタンドの設置やメンテナンス費として、1158万円を盛った。(中村真暁)

新宿区の予算案
なるほど!
グッときた
もやもや...
もっと
知りたい