さよなら昭和レトロな屋上遊園地 川越のデパート 9月1日に閉園

中里宏 (2019年4月24日付 東京新聞朝刊)
 埼玉県川越市の丸広百貨店川越店の屋上遊園地「わんぱくランド」が、9月1日で閉園する。運営するバンダイナムコアミューズメント(東京)が23日、発表した。昔ながらの小型観覧車が今も営業している屋上遊園地は数少なく、1968年の開業以来、親子3代にわたって親しまれてきた観覧車の撤去に惜しむ声が上がりそうだ。 
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閉園が決まった丸広百貨店川越店の屋上遊園地。「昭和レトロ」な雰囲気が人気を集めた=埼玉県川越市で

ドラマや映画のロケにも

 観覧車「わんぱくホイール」は高さ11.7メートル、幅10・6メートル。8台のゴンドラが1周3分30秒で回り、料金は1回300円。観覧車のほか、モノレールや飛行機などもある「昭和レトロ」なデパート屋上遊園地として、テレビドラマや映画のロケにも使われた。

 撤去は、建物の耐震工事に伴うスペース確保のため。9月1日の営業終了後、年内に屋上の遊具を撤去する。丸広百貨店営業企画部の永窪佑介さん(33)は「半世紀にわたり親子3代で愛してもらい、従業員一同厚く感謝申し上げます」と話している。

次々姿消す屋上遊園地

 屋上遊園地はかつては各地のデパートにあったが、次第に減少。東京でも松屋浅草(2010年)や東急百貨店東横店(13年)、松坂屋上野店(14年)など閉園が相次いでいる。

 全国で屋上遊園地を運営してきたバンダイナムコによると、現在、小型の観覧車が営業している屋上遊園地は、丸広川越店と東急プラザ蒲田(東京都大田区)だけ。名古屋三越栄店(名古屋市中区)に現存する日本最古の屋上観覧車(1956年設置)が国の登録文化財として保存されているが、営業はしていない。

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