うちの赤ちゃんはヨーグルトの匂いがする〈お父ちゃんやってます!加瀬健太郎〉
「100%生乳でできています」
というのは、どこかのアイスクリームの成分ではなく、うちの四男のこと。まだほぼ母乳で育てている。
お母ちゃんのおっぱいは「赤ちゃんが吸う為(ため)にあるんやで~、お父ちゃんのもんとちがうのんやで~」と月亭可朝さんが歌っておられたが、まさにその通り。
四男は今、ミルクで作ったババロアみたい。プニュプニュでポニョポニョ。
四男の口に鼻を近づけてみる。驚いたことにヨーグルトのような匂いがする。さすがは、100%生乳。
そして、ふわっふわで柔らかい髪の毛にすりすりと頬ずりし、頭皮の匂いを胸いっぱいに吸い込む。あー、アロマセラピー。
この匂いは、気がつくと成長とともになくなってたりするので、今が旬の嗅ぎどき。「またすりすりしてなかった? キョンキョン(四男のあだ名)の頭、臭いんだけど」と、妻から苦情が出たりするが、これだけは止められない。
この前、お風呂に入っていたとき、四男は、不思議そうに僕の乳首をじーっと見つめていた。と思ったら、赤ちゃんとは、思えない強い力で、僕の乳首をギュッとつまんだ。「ウッ」、痛い。
君はまだ知らないと思うけど、男の乳首は絵に描いた餅、電池の切れたスマホ。なんの役にも立たないよ。お父ちゃんもできるものなら、君がおなかいっぱいになって、うとうと眠りにつくまで飲ませてみたい。「お父ちゃんのおっぱいは~、赤ちゃんが吸うためにあるんやないんやで~」と歌いながら、僕のせいで臭くなった四男の頭を洗ってあげました。
加瀬健太郎(かせ・けんたろう)
写真家。1974年、大阪生まれ。東京の写真スタジオで勤務の後、ロンドンの専門学校で写真を学ぶ。現在は東京を拠点にフリーランスで活動。最新刊は「お父さん、まだだいじょうぶ?日記」(リトルモア)。このほか著書に「スンギ少年のダイエット日記」「お父さん、だいじょうぶ?日記」(同)「ぐうたらとけちとぷー」(偕成社)など。10歳、8歳、3歳、0歳の4兄弟の父。これまでの仕事や作品は公式サイトで紹介している。東京・吉祥寺の「Prism Lab.KICHIJOJI」で、加瀬さんの写真展を開催中。9月5日まで。
なるほど!
グッときた
もやもや...
もっと
知りたい
四男の頭皮はアロマテラピー!
こんなに同感な言葉に感動です(*_*)
我が家も男4人(8.5.4.1才)いるので、とても微笑ましく読ませて頂きました。本当に奥様のお気持ちもよく分かりますし、家で繰り広げられているドタバタ劇場なども全く同じで笑ってしまいました。
すごく良い記事でした。お父さんによる純粋な赤ちゃんへの観察・感覚・感動ってあんまり読んだ事がなかったな〜とふと思いました。もっと読みたいです!!