ひとり親でも、一人じゃないよ 悩みをシェアする「エスクル」
悩みが大きい「異性の子」先輩から体験談
交流会は毎月、各地で開かれており、エスクルの発起人・今井智洋(ともひろ)さん(32)は「一人で毎日、家事に育児、仕事と頑張っているひとり親の人たちに息抜きしてもらいたい」と参加を呼び掛けている。
エスクルは昨年9月、大阪市内で発足し、交流会を始めた。ひとり親や、離婚準備中の人たちが飲食店などに集まり、子育ての悩みを話し合う。会話を楽しんでストレスを解消したりし、コミュニティーづくりの場となっている。
特に悩みが大きいとされる、異性の子どもを持つひとり親にとっては、先輩の体験談を聞ける貴重な機会になっている。行政支援サービスに関する情報発信や、子ども服やおもちゃの譲り合いも行っている。
東京、神奈川、千葉… 毎月、各地で開催
当初は大阪市内で開いていたが、8月からは東京都内でも開催。都内での交流会は、親子100人近くが集まる盛況ぶりという。ほかに、愛知、神奈川、千葉県でも開いている。虐待や育児放棄(ネグレクト)が社会問題となる中、「それほど親にストレスがかかっているということ」と今井さん。「一人じゃないよ、と伝えたい」
14日の交流会は、さいたま市のJR大宮駅近くの飲食店で正午~午後3時に開催予定。詳しくは「ひとり親サークル エスクル」のサイトで。
特に孤立しがち…シングルファーザーに光明「不安が和らいだ」
娘は3歳 今年8月に妻を亡くして…
家事や育児と仕事をどう両立すれば良いのか-。共働き世帯でも尽きない悩みだが、特にシングルファーザーは人のつながりが薄くて孤立しがちと言われ、3歳の娘と2人で暮らす東京都西東京市の自営業松田英貴(ひでき)さん(55)も、その一人だった。
今年8月、会社員だった妻を亡くした。娘の保育園の迎え、夕食作り、寝かしつけは、短時間勤務をしていた妻がしてくれていた。ボディーガードの仕事を15年以上続けていたが、勤務時間が不規則なため、今は危機管理のコンサルタント業に軸足を置き、家事や育児と両立させている。
ママ友コミュニティーは入りづらい
娘が成長して「女の子」としての自覚を持った際に、父親に悩みを打ち明けてくれるだろうか。仮に相談してくれたとしても、自分の方がどう対応すれば良いのか、分からない。不安は募る一方だった。
保育園などでのママ友のコミュニティーは「入りづらさもあるし、変なプライドがあるのかも。自分で抱え込んでしまう」と明かす。
9月から3回、娘を連れて交流会に参加。普段はなかなか出会えないシングルファーザーや、異性の息子を育てるシングルマザーらと話し合うことで、不安が和らいだという。「ここには、子育ての悩みを解決するヒントがある」。今後も娘と共に参加する予定だ。
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