児童虐待への対応「軽度」の事案は市町村で 神奈川県が来月から大和市で試行へ 県は深刻なケースに注力
志村彰太 (2023年6月22日付 東京新聞朝刊)
増加する児童虐待への対応を巡り、神奈川県は7月から、特に深刻だったり悪化する恐れがあったりする事案に注力するため、比較的軽度の案件について児童相談所(児相)を持たない市町村に対応を委ねるモデル事業を始めると明らかにした。大和市で2024年度末まで試行し、効果や課題を検証する。
児相のベテラン職員が助言
神奈川県内では特に県央地域で相談が増加し、県は2021年度に大和市、綾瀬市を管轄する大和綾瀬地域児相を新設。同児相は昨年度、864件の虐待相談に対応した。モデル事業では、同児相が抱える事案を重大性や緊急性に応じて分類。大和市内の案件で緊急性が低い場合、市が対応する。
事態が悪化したり、一時保護など児童福祉法に基づく権限行使が必要になったりした場合は、速やかに同児相に対応を戻す。
同児相の「スーパーバイザー」と呼ばれるベテラン職員が、市の子育て支援部署で支援対象の家庭や子どもへの対応方法を教える。
横浜市と各区も同様の分担
神奈川県の担当者は「どこまで任せるかなど、手探りのことが多いが、市町村のスキルアップを図りつつ、県は重大な相談への対応に集中できるようになれば」と期待を語った。
同様の役割分担は、横浜市が市の児相と各区役所で実施している。
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